ガンビー教授

ザ・ファブルのガンビー教授のレビュー・感想・評価

ザ・ファブル(2019年製作の映画)
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最初から最後に至るまでほぼ全シーンにおける映画的感覚の鈍感さ、センスの悪さは驚異的だと思う。ダサい映画はカットバックや人物を画角に切り取るサイズ感に至るまですべてがダサいのだというダサさの手本のような邦画。令和元年に至るまでなおこんなダサい邦画が生き残っていたことにショックを受ける。シーンが切り替わるごとに苛立つ理由が追加されていく。正直見たのはけっこう前なんで細かい点については覚えてないが上映中ひたすら映画館から出たくなったことだけは覚えている。シーンの積み立ても無茶苦茶だし、物語を進めるための演出や脚本的ギミックも酷い。笑いの取り方から群像の映し方から顔の傷跡の特殊メイクまでよくこんな何もかもダサく仕上げられるものだと呆れを通り越した感心。その映画的感覚の欠如が、この作品にとって最も重要な要素であるはずのアクションにまで及んでいるのが致命的。オープニングのアクションにおける無意味な画面情報エフェクト(冒頭数分のここらへんで「この映画ヤバいのでは?」という直感はしていた。直感、外れてほしかったが……)は言うに及ばず、カットの割り方のマズさなど挙げたらキリがないのだが、これだけは特に許しがたいのが驚異的なスタントである"壁登り"を主役の岡田准一本人がやっているにも関わらずスタントマンが代替わりしているのか実際に岡田准一がやっているのか全く判別できない仕上がりになっているあたり、本当に映画的センスの徹底的な欠如が苛立たしい。

あと最後のセリフ何あれ? どういうこと? 脈絡はどこ? 映画から受けたショックで俺は20分ぐらい気絶してたのか?「令和か……」じゃねぇ!!!!もう令和なんだよ!!!!!!2019年にもなってこんな映画作るな!!!!

ほんでよ、何でガガのborn this wayなんだよ!!!!!!意味は理解できなくもないが単純に使い方がダセえわ!!!!!!!!!!!!

で、こういうダセえ映画は「こんなのが気が利いてるんでしょ」と言わんばかりにエンドロール後にオマケ映像とか付けてくるんだよなぁと思ってたら本当にあった。最後まで"サービス"してくださって本当にありがとうございます。お腹いっぱいです。
ガンビー教授

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