ドーナッツ

さよならくちびるのドーナッツのレビュー・感想・評価

さよならくちびる(2019年製作の映画)
4.5
ロードムービー好きにはたまらない、ロードムービーの王道を行く作品だった。
ロードムービーと言えばアメリカで、なにもない真っ直ぐな道をひたすら突き進む感じだけど、日本の狭い高速道路がいい味出してたな。
場末感漂う喫茶店の食事シーンもたまらかった。成田凌の意外に上手いなって感想は、自分も美味そうと思ったので余計にたまらん。

話じたいは重苦しい、ぎこちない雰囲気のロードムービーあるあるで始まる。時間が経つにつれて距離が縮まるどころか広がっていく様子が、3人の関係性と頑固さを強調していたよかった。この3人のバランスが絶妙だった。時折出てくる喫煙シーンの雰囲気やクッション的な役割も良かった。
歌も2人がとても上手で、すーっと入ってきた。口ずさめる感じもまた良い。

こういう話だと仕事放棄するシーンがたびたび見られるけど、とりあえず仕事を全うする感じが現実感あってよかった。

ただ、現実感で言えば細かいけど、ファンの入り具合がよくわからなかった。序盤の浜松で10人ぐらいしか入らなかったのに、インディーズバンドの解散が報じられたら函館の会場に入りきらないってあるかな?ないな。