たけちゃん

バオのたけちゃんのレビュー・感想・評価

バオ(2018年製作の映画)
4.0
BAO、私の宝物……


ドミー・シー監督 2018年製作


実は、僕、「インクレディブル・ファミリー」本編よりも、この短編の方が感動したんです……。

わずか8分間なのに、しっかりとドラマがあった。

あと、たぶん、僕が親だからでしょうね、すごく感情移入してしまった。
ラストは泣いてしまって、「インクレディブル・ファミリー」が始まった時、必死で涙拭ってましたから(笑)


中国系の家庭が舞台。
主人公は命を宿した"BAO=中華まん"です(笑)
これがいいですよね( ˘ ˘ )ウンウン
ちょっと日本人の僕らにも身近。
その中華まんと母親とのドラマです。
BAOって、「包み込む」からくる語で、中国語では"饅頭"の意味と共に、"宝物"という意味もあるそうです(でも、それは英語読みでの話で、漢字は違う同音異語かな)。実に素晴らしいタイトルですね。


どんな展開なのかは映画を観てもらうこととして、僕は冒頭の点心を料理するシーンのリアリティに驚きました。実写みたいな映像というよりは、生々しい映像で、手の質感とかが素晴らしいんです。

あと、夫婦で朝食に中華まんを食べるんですが、2人は倦怠期の夫婦というか老成した夫婦というか、会話もほとんど無く、もうそのへんで泣けてくる。ウチハダイジョウブカ?

そして、美味しいも、ご馳走さまもなく亭主は出勤して、妻が残されるんですよね。これはたまらん。そこから始まるストーリーです。


監督のドミー・シーって、ピクサー初の女性監督で、もちろん、中国系。なんか、その繊細さが本当に素敵で、僕の琴線に触れてしまいました。


ピクサーの短編って、本当によく出来ていますよね。「カーズ/クロスロード」の時の「LOU」も良かったし。
全く子供向けじゃないその作りと志に毎回感動します( •̀ω•́ )و✧
本編のおまけとは思わず、しっかり観てくださいね!