いずみたつや

バオのいずみたつやのネタバレレビュー・内容・結末

バオ(2018年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

小籠包を擬人化して描く親子の物語ってもう狂いすぎですよ。

コミカルで可愛らしくて、笑える作品なんですけど、ストーリーとしては愛情たっぷりに子を可愛がる母と、大人になって母との関係性が薄れていく息子の切ない話になっています。

僕はこういう親子モノに弱いので、もう序盤から目がウルウルしてました(笑)。

途中でお母さんが小籠包くんを思わず飲み込んでしまうというショッキングな展開があります。劇場でも「あっ!」という声が漏れていました。

あくまでもコミカルに描いているとはいえ、あそこまでギョッとさせる描写は子どもも観るアニメでは、そう観られるものではありません。

僕はあそこで涙腺決壊しました。
「食べてしまいたいほど可愛い」という表現もありますが、愛情ゆえに手放したくない、いつまでも自分のものでいて欲しい!という母の気持ちをこの上なく正直に表した行動で、本当に切なくて、故郷を離れている者としても身につまされるものがありました。

最初観たときはキャラクターの容姿が"目が細い"非常にアジア人差別的なもので、「これはまた炎上するんちゃうか…」と思いましたが、最後まで観れば、その悪意のなさは必ず伝わってきます(監督のドミー・シーさん自身もアジア系の方のようですね)。

本当に素晴らしい親子の普遍的な優しい愛の物語でした。