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プラネティストのtetsuのレビュー・感想・評価

プラネティスト(2018年製作の映画)
3.0
偶然、観る機会があり、鑑賞。


[あらすじ]

小笠原諸島の伝説的サーファーとして活躍し、今では島の自然保護に一役買っている男性・宮川典継。
島にやって来たアーティストたちは、彼の案内のもとで、自然の神秘を感じていく。
圧倒的な映像美と共に、自然と音楽のセッションが始まる……。


[感想]

小笠原諸島のプロモーション映像としては☆×4、ドキュメンタリー映画としては☆×2ということで、間をとって、この点数。

内容は、「監督の関係者と巡る小笠原諸島疑似観光ツアー」という感じで、正直、映画としては退屈な印象。

とはいえ、セラピー効果のあるイメージ映像としては、ありなのかなぁ~と。

また、「人間と自然のセッションを映像として記録する」という試みは成功しているため、その点では評価できる作品だと思いました。


[ドキュメンタリー映画としての欠点]

ドキュメンタリー映画の名作が多い近年だけに、そのクオリティには、若干、気にかかる点があったのは確か。

様々な著名人が登場するものの、パーソナルな部分は、ほとんど触れられないため、「抜群の映像美で撮影されたプライベートビデオ」と感じてしまう部分も……。

それぞれの方のファンや知り合いであれば、言葉の一つ一つに伝わるものがあるのかも知れませんが、そうでない人には辛いものもあるなぁ~という印象が強かったです。
(その結果、開始数分で『フラッシュバックメモリーズ』や、豊田監督の過去作を追っていないことを後悔した。)

また、美しい映像に頼りすぎているのも、本作の惜しいところ。

様々な人物のインタビューから構成された作品だけに、内容に即した映像や写真が見たいタイミングで、関係のない島の映像や住人の様子が写るのは、少しノイズのようにも……。

そんな点も含め、ドキュメンタリーではなく、美しい島のイメージ映像という認識で観るのが、最も良い作品なのかも知れません。


[終わりに]

ここまで、かなり批判してきたものの、セラピー映画としては、満足度の高かった本作。

特に、序盤に登場するアーティスト・GOMAさんの演奏×点描画×美しい自然のトリップ映像は、一見の価値ありで、映画館で観て良かった作品だったことには間違いなかったです。
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