Aya

ジェニーの記憶のAyaのレビュー・感想・評価

ジェニーの記憶(2018年製作の映画)
3.0
#twcn

これどうして、さっさと配信スルーした?
びっくりしたんですけど。

でも中身を見てみたら、これは劇場でかけるの・・・難しいわ。
どう難しいって道徳と愛は共存し得るのか?
しても良いのか?
という話なわけで。

ローラ・ダーンが大学の講師も務めるドキュメンタリー作家。
婚約者はカメラマンのコモン。
しかも彼氏のコモンめっちゃ優しい(T_T)
年下やのに包容力やばい。
私生活も仕事も順風満帆。

ある日、実家の母親から「学生時代の小説を見つけた」としつこく電話がかかってくる。
彼女は13歳の時かなり歳の離れた男と付き合っていたようだ。
しかもいつの間にか彼は有名な陸上選手になっていた。

その相手のパートナーが乗馬の先生のエリザベス・デビッキ嬢。
この家庭がやっている乗馬教室に通うため、ホームステイした夏の思い出。
相手はランニングのコーチだった。

イギリス人のデビッキ嬢曰く「イギリスに乗馬をするユダヤ人はいない」のだとかw
少し差別的だが、自立しており厳しく、とても美しいデビッキ嬢に憧れて、進歩的なこの夫婦と比べてお堅い自分家は・・・と大好きになってしまうんですね。

最初はローラ・ダーンの少女時代が高校生の時なのですが、それは本人の思い違いで、実際は13歳という「子供」の年齢だった。

その作文には当時5人兄弟で自由が許されず、なんか浮気してるっぽい母親、昔気質の理不尽な両親に不満を抱いていた少女は、自分のことは自分で決める、とこの大好きな先生たちの元へ夏休みが終わっても週末にホームステイに行く。

両親とは違う、自由な家族観をを持つ先生2人が大好きでとても懐いていたが、自分の作文を見つけたことであの夏を再び思い出すため、同じ乗馬クラブの友人や老いたデビッキ嬢を訪ねて行く・・・。

13歳当時の少女と現在の大人っていうか熟女になったローラ・ダーンが半々くらいで物語られるのですが、その記憶は正しかったのか?あの作文は事実だったのか?という論議がこの同じ人の中でその時と思い出した時とで主張が違うため議論で交わされるという、自問自答系。

ローズ・バーンは否定しながらも周りから散々言われ、虐待を疑いうが、13歳で自分のことは自分で決める、と言った少女は強固にコーチを愛し、SEXも受け入れます。

私、この彼氏、っつうかランニングのコーチの言ってること完全にペドフェリアの言い分やと思う。
自分のパートナーであるデビッキ嬢は大人なのでつまらない。君のような純粋で素直な子の方がいい。
そして結婚という枠にとらわれない新しい形のグループを作る、と。

なんでこいつを彼氏やと思った?!
パートナーであるデビッキ嬢も「彼は特別だ」と言って話を聞いてくれない。
しかも驚くべきことに離婚した老いたデビッキ嬢も話を取りあってくれず、当時のことにもうっすら目を背けている。

しかもよくよく思い出してみれば・・・デビッキ嬢の行動って・・・。

このコーチのおっさん見た目もさえなければ、普通にいい旦那さんて感じはするけど、影で言ってることは完全にキモイですからね。
陸上の世界で成功してたとはいえ、なんでみんなこのおっさんに惹かれたん?

しかし、13歳の時のローズ・バーンと現在のローズ・バーンの記憶にかなりの食い違いがある。
いるはずの人をいないことにしていたり、言われたはずのことをなかったことにしていたり・・・典型的「信用できない語り手」であります。

たぶん、この映画で言いたいのはこのおっさんの異常性と、幼い少女に判断力がないにも関わらず、傷ついていない、恋愛関係だ、と言いはるその強固な姿勢がいかにして確立されたか?
確立させてしまったか?
それには彼氏、とされたランニングコーチだけのせいではなかった・・・という衝撃的な話。

ちょっと説明がわかりにくかったとこありますね。
ただ、特にこのランニングのコーチと乗馬の先生のパーテナーの2人が結構暗部というか・・・でも13歳で両親に絶望している少女には救いのような存在だったという・・・。

同じような13歳くらいの少女と中年の男性の恋愛関係って「ウーナ 13歳の欲動」を思い出しますよね。

大人になってから違う反応を見せますが、どちらも恋愛中だった13歳の時は「愛していたし、愛されていた」という主張を曲げなかった。

そしてローズ・バーンは果敢にも、というか自身の愛の記憶にも決着をつけるため、本人に会いに行きます。
これすごいと思う。

13歳のローズ・バーンが本気で彼を愛し、50手前で結婚する時でも「彼は最初の年の離れたボーイフレンド」と言い張っていたのに、母親が偶然に見つける当時の小説という名の作文を問題視したことで、本人も最初は抵抗するが、どんどん自信がなくなり、実際どうだったのか、を自分の足で探るのです。

これ最初に出ますが、実話だそうで・・・。

ぶっちゃけ「ウーナ 13歳の欲動」の方が断然好きですけど、こちらもまた、役者さんがいいのでチェキっと区案件かと。

いや、こういうひといっぱいいそう。
13歳って微妙な年齢だと思った。

Aya

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