kuzira

左様ならのkuziraのレビュー・感想・評価

左様なら(2018年製作の映画)
3.7
これが何の感情だったのかはわからない
あの子に対して抱いていた感情がわからない
あれは夢だったのかも、今が夢であるのかも
この先もずっと、もしかしたら、ずっと
わからないのかもしれない

そんな私だけど、こうやってこうして
わからないを続けていてもいいのだろうか

わからないに侵食された日々は妙に何もかもが
どうでもよく思えてくる、今までもずっと
世界と自分とが関係してなかったように
感じてくる

私の人生があと70年あるとしたら
こんな出来事は対して大きい事でもないのだろう
思い出は今も蔓延り続けていて
記憶はそれ以上、新しくはならない事を知ってて

果たしてあれは、
私にとってどんなものだったのかとか

わからない事が多すぎて追いつかなくて、過ぎ去ってしまっていく日常と記憶

損失してしまった

ただ、それでも。そっか。感謝は続くんだ

あの頃、助けれてくれた記憶とか
あの時、救ってくれた感情とか居場所とか


私にとってあの娘がかけがえないくらいの
大きい存在になってるとは
多分、思ってもなかったはずだけど。


これは只の余談です
去年、私の同級生が亡くなりました、自殺でした

そんな彼が死んでしまった事に対して
今だに泣けてません

皆もう大人だからある程度のモラルはあるけど
私は正直あまり話題に出したくありませんでした

なんでって言われても、わかりません
特に今の日常に変化も起きていませんでした

由紀と綾みたいに特別な時間を
2人で過ごした訳でもありません

ただ、1つ覚えてるのは私が唯一大学で
喧嘩した友人だったなぁって思う事だけで


もしかしたら私の中での亡くなってしまった
何かへの答えを見つけたかったのかもしれません

その答えとしては不十分ながらも
このまま、まだ"わからない"を許し続けても
いいのかなぁって事でした

同じように日常は進んでいくし、
楽しい毎日も笑える日常も送れています

この作品を見て、
またあの子を少し思い出したりもしました
やっぱり泣けはしませんでした

突然消えてしまった何かを1つ1つ回収するように
これからもあの子をふと思い出すだろうし
その感情がなんなのかとかは
今は別に見つけようとしなくていいのかなぁって

恋愛でも友情でも、懺悔でも、後悔でもない
ただ、誰にでも気持ちは存在するから
ズッシリとくるけど日常だから重すぎる事はなく
海のサラ砂みたいな儚さが心に溜まります
kuzira

kuzira