あーぁ

左様ならのあーぁのレビュー・感想・評価

左様なら(2018年製作の映画)
4.0
それでも日々は続いていく。

このヒロインの芋生さんって『バレンタインナイトメア』とか出てっけど今までそない気にした事なかったんやけどね、
ちょいちょい!この子の透明感エグくない?

もうね、岸井さんを最初に見たときの様なあの吸い込まれる様な、それでいて抱きしめてあげたくなる様な、あの謎の感情。

今日は中村守里ちゃんといいぺろぺろ案件な当たり日ですなぁ〜


中学からの仲良しな親友であった綾がある日突然死んだ。自殺だったらしい。
同級生達は一同に涙を流す中、そんな親友の死に不思議と泣けなかった主人公の由紀。

クラスで孤高の存在を貫いていた綾の死をきっかけに次第に由紀はクラスの女子からハブられる様になる。

綾の死も自然と風化していきそれでも当たり前の様に日常はやってくる。
そんなクラスに空虚な気持ちだけが募っていく由紀が様々な思いを抱えながら現実と向き合っていく。


もうなラストカットが絶妙過ぎる。

あの夕日に照らされたキララちゃんの笑顔とそして感情をさらけ出した芋生さんを包んだ瞬間パッと暗転するあの絶妙さ。
こういう映画があっから邦画は大好きなんよ〜

学校、スクールカースト、他の子とは違う個性的なヒロインと、『書くが、まま』とちょい雰囲気は似ているんだけどね。


ただこの映画はよくあるタイプのスクール・カーストとはちょい違くて単にクラスの上位グループ、底辺グループって感じで簡単には区別されていないんよ。

どの子にもしっかり存在があって、リアリティーがエゲツいのな。
どっかの学校のクラスをそのまま切り取ったみたいに、こんなグループやこんな子居った居った!

自分はこういう感じだったなぁ、ってちょい羞恥してまうこともあれど、単にそこに居るだけじゃなくって、どの子もきちんとその教室に存在するひとりの人間で、この子はこんな気持ちなんやろな、と見ていて思いが透けてくる。

ちなみに私は中間層くらいの立ち位置で上位には媚び諂い、自分より下を見ては安心する様な一番性根が腐った奴でした。てへぺろ

そして芋生さんの存在感も去ることながら脇を固める他キャストもまた豪華でしてね、まずは親友の綾役にはどの役でも埋もれない存在感を放つ祷キララちゃん!

今回は序盤に死んじゃう役と言うこともあり出番は少なめだけど、どこのグループにも染まらず自分を貫く凛とした綾がまさにキララちゃんにピッタリやったね!

あとは血スケREDでギーコのチェーンソーをカスタムアップする仙崎役でお馴染みの日高七海ちゃん。イジメっ子グループのボス猿でいつもとは違う感じだけどしっかりウザったらしい感じでこの子は安定してええなぁ

そして恐怖人形、イソップの思うツボで異才を放つ石川瑠華ちゃん。今回はふんわりヘアーで天然ぶってる小悪魔女子を演じているのでいつになく可愛いね。

そんなクラスの皆んな全てに物語があって、決して綾の死をきっかけに何かが変わっていくわけでは無い。
当たり前のように日常は続いていくのだ。

学校のみがあの時世界の全てだった自分達はとても小さく、たわない恋愛や昨日見たテレビ番組、回し読みしたエロ本くらいが唯一の世界だった。

生と死は紙一重で誰だってその上で生きている。
大切な瞬間がこの日常に溢れていて、外の世界へと少しずつ歩き出していくラストに涙ちょちょ切れたわ。

とりま芋生さんとキララちゃんが瑞々し過ぎて尊過ぎんよ。

見た後ふとよぎった100日目を迎えたどこかのワニにも左様なら。
あーぁ

あーぁ