ヤングアダルト向けのヒット小説が原作だけあって、高校生を主人公にその心情に寄り添いつつ、警官による黒人への過剰な武力行使があとを絶たない現状とその中での家族の絆や友情、恋愛を描いた作品。
主人公が体験し、目撃した出来事の当事者である警官の責任を問う(どんなに説得力のある証言があってもしばしばそれが果たされない、というのが現状でアメリカのニュースでも報じられている通り)のは当然なのだけど、もう一つの「悪役」として地域のギャングのボスも出てきて、「どうしたらこの暴力の連鎖から逃れられるか」という問いかけにつながっていくのも見事(で、タイトルの"The Hate U Give"になるわけですね)。
