無実の友のために、少女の魂の叫びが響き渡る。
16歳の少女の目の前で繰り返される人種差別。人と人が憎み合う連鎖。多感な時期に起こる難しい友情関係。そして恋人との距離感。
自分が黒人であるということを理解し、戸惑う主人公が幼馴染の死をきっかけに自分の殻を破る魂の叫びに涙した。
原題と邦題は変わらず。
ただこの題名の本当の意味は…
THE
HATE
U
GIVE
頭文字を並べるとTHUG。劇中に何度も名前が出てくる黒人ラッパー、2Pacが使っていた言葉〝Thug Life〟に由来するらしい。そしてその意味は〝The Hate U Give Little Infants Fuck Everybody.〟お前が小さな赤ん坊に植え付ける憎しみは万人をダメにするということ。
この意味を知って始めて、2Pacとストーリーの繋がりが分かった。子は親を見て育つ。良い面も悪い面も。子から親への繋がりを意識した描写が多くあったのはこの為だったのか。今思えば冒頭からそうだった。名前の由来や彼氏を紹介した時に父親が言うセリフなど。これを知れただけで十分作品の見方が変わった。