矢吹健を称える会

ヘイト・ユー・ギブの矢吹健を称える会のレビュー・感想・評価

ヘイト・ユー・ギブ(2018年製作の映画)
2.4
 何を訴えたいかはうんざりするほどよくわかるのだが、登場人物に何をさせたいのか、それで何を描きたいのかは終ぞぼんやりしているという、気持ちの悪い映画。アンソニー・マッキー演じるドラッグ・ディーラーも、そもそも全然怖くないうえに、テーマをぼかす役割しか演じていないと思う。主人公と友人のあれこれも嫌らしい描き方だ。ジョージ・ティルマンJr.は個人的に買っている監督なのだが、こういう映画を作られると困ってしまう。

 主人公の境遇が『スパイダーヴァース』のマイルスくんと結構いろんな要素が似ている点は興味深い。『DOPE』の主人公といい、(背景となる時代は違えど)『グリーン・ブック』のマハーシャラ・アリといい、アフリカン・アメリカンを主役に据えるうえでの、現代的なキャラクタライゼーションといった趣がある。