くぅー

ヘイト・ユー・ギブのくぅーのレビュー・感想・評価

ヘイト・ユー・ギブ(2018年製作の映画)
4.2
"THUG LIFE" "子供たちに与える憎しみが全てをむしばむ" ・・・ "憎しみが彼(子供たち)を変え、そして、社会に牙を向く。"
"憎まれることより、憎み合うのが罪だ。でも、連鎖は断ち切れる。”

クライマックスでの前述のシーン、打ちひしがれてしまいましたね ・・・タイトルが気になり、パッケージ写真もあっさりしてたので、気軽に見始めたら、とんでもないヘビーな傑作でした。

久しぶりに再会した幼なじみが、職務質問された白人警官に誤って射殺され、それを目の前で目撃した黒人の女子高生の葛藤と成長と前進のドラマ・・・ニュースでは似たような事件を何度か目にしているが、こうやって詳細が描かれると、やはり言葉を失う。

人種差別はもちろん、ギャングが存在するゲットーの現実等・・・いかに自分が平和な国に居るのか、つくづく思い知らされる。

そして、そんな中で描かれる家族の絆が実にいい・・・こんなタフな家族に恵まれたからこそでもある彼女の強さが印象的。

そう、あのレジェンドなラッパーの2PACの楽曲からの引用も多く、偉大だったんだなぁと再認識。

キャストでは、やはりアマンドラ・ステンバーグに尽きる・・・初見でしたが、堂々の熱演で、恐れ入りました。
さらには、ラッセル・ホーンズビーにレジーナ・ホール、コモンにアンソニー・マッキーらの実力派が脇を固め、見応えがあります。

うむ、『フルートベル駅で』を見た時の衝撃的な余韻と同じで、本作も多くの人が見るべき作品ではないかと。
くぅー

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