ジャッキーのハリウッド出世作である「ラッシュアワー」(98)を見て彼のアクションを堪能したと思っている方がいたらそれはとんでもない間違いです。ハリウッドのスタントは人命に最大限の配慮をする措置が常に採られているそうですが、その観点からすると本作のアクションはまるで「死」に向かっているとしか思えない様な壮絶さがあります笑。
ストーリーの飛躍や脚本の穴なんてアクションで全部吹き飛ばせることを証明した若きジャッキーのスタントがとにかく凄い。同じ人間とは思えない様な俊敏な動きは豹か何かの肉食動物並み。ジャッキー本人をして「今は絶対出来ない」とまで言わしめたポールで地上に滑り落ちてくるシーンはめちゃくちゃ危な過ぎて見ていられない程。2階から投げ飛ばされた敵がマットもない地面に叩きつけられたりする描写も凄い痛そうだし、お決まりのNGシーン集はもはやただの撮影事故映像で普通に心配になった。
アクション映画に間違いなく新たな「型」を導入した作品だと思う。ちなみに、慣性の法則で敵が2階立てバスから弾き出されるシーンはスタローンの「デッドフォール」(89)でもオマージュされていましたね。
