このレビューはネタバレを含みます
元軍人の金髪三つ編み碧眼の女の子というだけで好きになってしまうのに素敵な義手がタイプライターを叩くので私はとても嬉しかった。
ギルベルト少佐のもどかしい愛ゆえの葛藤も、ヴァイオレットの一途で純粋で忠誠的な愛も、本当に美しかった。感情の機敏が美しい。
個人的に好きなシーン。
少佐の兄が、ヴァイオレットが墓参りをした時に落としてしまった赤いリボンを届けに郵便局まで来たとき、少佐の兄がポケットに手を入れる素振りを見せた時にヴァイオレットが銃を持ち出すのを警戒して腕を捻り上げたシーン。踵が高いブーツを履いていても強かで美しかった。ブーツの足音がリアルでよかった。
映画館には年代性別バラバラの人々が集まっていたが、割と序盤からみな同様に鼻を啜っていて、おおよそ誰にも不愉快な気持ちを与えずに感情を動かすことができるのがすごいと思った。
一番涙を堪えるのが大変だったのは病気で後先短い男の子が代筆を頼んだ最期の手紙。バスタオルがいるという前情報はあながち間違っていなかった。泣きすぎて体調が悪くなった。
あの島で最期まで2人で幸福に一緒に添い遂げて欲しい。
「アイシテルをくれてありがとう」