Tatsu

劇場版 ヴァイオレット・エヴァーガーデンのTatsuのネタバレレビュー・内容・結末

4.6

このレビューはネタバレを含みます

こんなに暖かい話あるんだって思うぐらい心がポカポカする作品。
ヴァイオレット・エヴァーガーデンって鬼滅とか呪術とか進撃とか最近何かと話題になるアクションとはかけ離れてて、そういう刺激はないけど、人間の心情を深く丁寧に描いてくれるから落ち着いていながらドラマもあるし、めちゃくちゃ面白い。
映画は今さら初めて見たけど、最初10話神回のアンの孫から始まると思わなかった…アンだけヴァイオレットたちの時間軸を飛び出して成長してたから、不思議に思ってたけど映画でこうやって使ってくるとは。
アンの孫を使ったから伝記形式で話が進んで、物語の構造が深くなるし、電話が普及した後の自動手記人形の衰退と、それでも手紙の素晴らしさは消えないという事実が同時に描かれていてよかった。
作中の後半はずっと泣いていた。ユリスが危篤状態になったときの痩せ細った顔が衝撃的で、リュカとの電話と両親弟に向けた手紙で大号泣。
命が消えてしまうってとても悲しいことだし、普段言えない気持ちを手紙で伝えるから感動が生まれるんだろうな。
あとはギルベルト少佐が生きてたことに驚き。雨の中ヴァイオレットと社長が会いに来たのに、私がヴァイオレットを不幸にした、会わない方がいいと言うギルベルトの気持ちが痛いほど分かるし、作中ずっと会えることを懇願してたヴァイオレットの気持ちを考えると辛かった。社長の「この大馬鹿者」みたいなセリフが本当によかった。このシーンの雨の書き込みも本当に綺麗だった。
でも、ヴァイオレットの手紙を通じて少佐に会えたことがよかったのだと知ったギルベルトがヴァイオレットを追いかけるシーンはギルベルトの会いたいという感情がアニメーションから溢れ出てたし、海に飛び込むヴァイオレットと海の中で愛してるを言うギルベルトがとても輝いていて、お互い通じ合えて本当によかった。ここの作画も本当に綺麗だった。ヴァイオレットが今までに見せたことのない表情をしていてそれだけギルベルトに会えたことの嬉しさを感じることができた。
結ばれた後の2人の描写を見たいなと思いながらエンドロール入ったから、ないのかと思ったけれども、エンドロールのあとにヴァイオレットとギルベルトの一枚絵が流れたのもよかった。
劇場版込みでヴァイオレットエヴァーガーデン。
2人の物語が幸せに終わって本当に暖かい気持ちになれた、希望を持てた作品でした。
Tatsu

Tatsu