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凪待ちのKのネタバレレビュー・内容・結末

凪待ち(2019年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

全体的には面白い、、が惜しい作品。

まずは良かった点。

・演出うまい
引っ越してからの木野本が、現地の人々と何となく馴染めていない雰囲気が、表情や間の感じで画面越しに伝わってきて、この先の生活がどうなっていくかを匂わせるのが上手いな、と感じた。

・とにかく展開が読めない
そうきたか!そうなるんや!の連続で、想定していたよりも二転、三転、とムーブが繰り広げられる。

次に、惜しかった点。

・軍司と勝美の過去
「あの人に命を救われたんだ」と言うが、葬式のシーンから踏み込んで、もう少し描写が欲しかった。勝美は物語後半での人間関係の鍵となる人物であるから、もっと内情を知りたい、と個人的には感じた。
軍司が過去の借りを返すという形で大金を支払ってくれたから、船を何とか買い戻せたわけで。笑

・小野寺が亜弓を殺害するに至った背景
これは、さすがに伏線が無さすぎると思った。物語の展開における意外性、という点では面白いのかもしれないが、人間ドラマがテーマである以上は、物語的に「なぜその人物がその行動に至ったのか」は最低限描いてしかるべきだというのが個人的な意見である。

以上、惜しい点もあったが、それでも、さすが白石監督、登場人物それぞれに個性と人間味があり、暗いストーリーでも最後まで観させる作品だった。
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