凪待ちの作品情報・感想・評価

上映館(85館)

「凪待ち」に投稿された感想・評価

み

みの感想・評価

3.8
フィルマークス試写会と白石監督ティーチイン

見てはいけない香取慎吾さんを目撃してしまった感…とても良い意味で(笑)
ほぼうつむき加減で笑わないし言葉少な、怖い怖い。こんなに怖くなるんだ、慎吾さん(でもそれだけで終わらないのでよかった、ほっ)

見せどころになる場面が結構多くて、話の毛色もいくつかあって、2時間後にどこにどうたどり着くんだろうと思いながら見てました。喪失と再生、それ以外にも感じるところあり

見る前からわかることですけどキャスト素晴らしい。西田尚美さんはこの度色気あるなあと思った(いやLIFEのコントのイメージ強すぎて笑)
恒松祐里さんも雰囲気が良かった〜〜注目しますこれから

土地の雰囲気がすごく感じられて良かった。ロケ地もキャストからも(リリーさんの方言はニヤりとしました。音尾さんは完全に田舎の脂っこいオジさんでした!)


あ、エンドロールまでがストーリーです
香取慎吾の真髄、新たな船出を見届けて欲しい。
妻を失った男の破壊と再生。
これが人生ですわ。
hagababy

hagababyの感想・評価

3.7
各所から大絶賛の声、とくに香取慎吾の演技が素晴らしいと。

たしかに脚本も良くできていて、
香取慎吾は演技というものを忘れるほど見入ることができた。

ああいう田舎の閉鎖感や絶望感、田舎生まれにしかわからないかもしれないけど、僕はいつも胸が辛くなる、、、好きだけど、、、。
久々に質の高い邦画を観たなぁ、という印象。
(ところでこのクソどうでもいいキャッチコピーを考えたのは誰ですかね。物語において誰が殺したとか動機とかは関係ない。本編見たのか?)

失業をきっかけにギャンブル依存症の男が恋人とその子どもと共に石巻に移り住む。恋人の死によって生じた喪失感を埋めようと更にギャンブルにのめり込んでいく。
簡単に言うとクズ男の再起の話。
主人公を信用してくれた恋人を裏切り続けてきた、主人公が最終的に信頼している人に裏切られる様はあまりにも皮肉だった。

作中においてセリフ数は少ないものの圧倒的存在感を放ったのは恋人の父。妻を震災で亡くし、娘を人災で亡くした。彼もまた人生における絶望のどん底な訳だが、いつまでも立ち直れずにいる主人公に救いの手を差し伸べるのである。それも一人の家族として。
この物語の背景にあるのは東日本大震災であり、町だけでなく住民にも深く傷跡を残しており、それは未だ癒えていない。そういった台詞やシーンが主張することなくさりげなく映される。ほとぼりが冷め、そしていよいよエンドロールになって震災による傷の深さ=海の深さを表すかのように海底の様子映され、静かに幕を閉じる。
まさに"凪"待ち。タイトル回収。
素晴らしい、感無量です。

ただ一つ残念なのが、音楽の使い方が荒すぎて余計に感じてしまった点ですね。
れいん

れいんの感想・評価

3.5
何も前情報をいれないで、このポスターだけで見に行きましたが、あのサブタイトルと本編はなんか違う気がする。

心理もよく描写されててよかったけど、色々としんどくて、切ない映画でした。

まわりにいい人がいてすくわれました。

ギャンブル依存症の人にみてもらいたいとおもいました。
yuki

yukiの感想・評価

3.0
香取慎吾の今までと違う演技と言う評判が気になって、今更ながら観てみたけど、怒鳴るシーンなど、やっぱりどこか優しさというか、まろやかさがあって、慎吾ちゃんだなぁと思ってしまった。

そこが木野本がクズなのに、なんだかほっとけない魅力なのかなとは思う。

…思うけど、手を差し伸べるほどの奴なのか?と言う疑問が、わたしには最後まで拭えなかった。

娘が懐いてるし、根が良い奴なのは分かるんだけど、映像として過去のエピソードをもうちょっと掘り下げてくれたら、感情移入出来たかもしれない。

でも、もっと暗い感じかと思ってたけど、周囲がみんな良い人で、演技も素晴らしく、田舎の風景も美しくて良かったです。
eco10

eco10の感想・評価

3.0
ギャンブルしたり借金したり仕事が長く続かなかったり、ダメな奴という烙印を押されても、それでもしぶとく生きられる人がいる。その理由を見た気がする。

そういう人間でも、どこか1mmでも情があったりすれば、周りの人間に恵まれていたりする。誰かが手を差し伸べてくれる。
本当のどん底を知らないから、同じことを繰り返す。結果として甘やかされていたりする。

郁男も、ダメ人間としてはプロトタイプだった。
香取さんが演じてるから多少の放っておけなさがあるけど、どこまでも哀しい。
見ていて辛かった。
ギャンブル依存症は病気だとは言っても、救いがないと思ってしまった。誰もがもがき苦しみながら生きている。
彼だけが特別ではない。

キャッチコピーはミスリードに近く、ミステリーのような要素はほぼない。
殺された理由もさほど大きな意味を持つものではない。
もっとどうしようもないほどの、やるせない人間ドラマだった。

おじいさん役の、吉澤健さんという役者さんがとても良かったです。
未レビューでしたので。

半世界に続き、
「新しい地図「発足後の"香取慎吾"という役者の深みを思う存分体感できる1本

ちょうど
新しい地図の3人へのテレビ出演に対する圧力というニュースを見たが、映画という戦場においては、確実に何歩を先を行っている印象。流石の一言。

加えて、白石組初参加の面々も個性を存分に発揮しており、個人的には李相日監督の「怒り」にて、熾烈なオーディションを勝ち抜き、スクリーンデビューを飾った
佐久本宝の演技は、今回も輝きを見せていた。

そして、白石監督をはじめとする
白石組の面々(常連の役者陣含め)のベーシックな映画制作力の高さにはぐうの音も出ない。

冷静にこのリリースペースに対する
作品バラエティの豊富さ、話題性、質
は他の監督の追随を許さないと思われる。

2019.11.8公開
『ひとよ』

にも心の底から期待。
八巻綾

八巻綾の感想・評価

4.0
香取慎吾主演、白石和彌監督による社会派作品。

ギャンブル依存症の郁男は、失業したことをきっかけに恋人・亜弓とその娘・美波と一緒に亜弓の故郷・石巻に移り住む。亜弓の実家では、癌を患う亜弓の実父が細々と漁師業を続けていた。知人の口利きで印刷所の職を得た郁男だったが、ひょんなことから亜弓に禁止されていたギャンブルを再開してしまう。ある日、亜弓と口論になった美波が家を飛び出すという事件が起きる。行方が分からない娘を必死で探す亜弓と、「少しは放っておけ」という郁男もまた口論となり、カッとした郁男は道端で亜弓を車から降ろす。そしてその夜、亜弓は何者かに殺されてしまうのだった……。

東日本大震災の傷跡が残る石巻を舞台に、人生のどん底にいるクズ男が喪失感にのたうち回る様を描いた作品。主演の香取慎吾が、ずんぐりとした身体と土色の顔色で見事にクズを演じ切っている。

ギャンブル依存症は「依存症」なので、基本的に直らない。作中で郁男は、何度も亜弓を裏切り、何度も観客を裏切る。私には理解できない行動を取り続ける郁男に、理由を聞いても仕方がないのだろう。最初は心の隙間や居場所のなさを埋めるために、途中からは喪失感を埋めるために、郁男は賭け続けているように見える。その強烈な衝動の前には、モラルなんて意味をなさないのだろう。

作品の流れとしては『マンチェスター・バイ・ザ・シー』に似ているかもしれない。主人公の罪の重さは違うのだが(マンチェスター~の方はあまりに……)、喪失感から逃れようとしても逃れられず、結局その感情と一緒に生きなければいけないという流れは共通している。

【以下ネタバレ】

郁男がこれから真っ当な道を歩むかどうかはよくわからない。かなり危なっかしいようにも見える。郁男の周りの人々が郁男を見捨てないのは、少し不思議ではある。血も繋がっていないのに。でも、そこで亜弓の父親が重要な役割を果たす。

東日本大震災で大切なものを失った人々の象徴として登場する亜弓の父親は、あまりにも多くの想いを背負っている。妻を天災で失い、娘を人災で失った彼の心のうねりが、映画の後半全体を大きく包み込む。とてつもなく巨大な絶望と、海のように深い慈愛。ひたすらに地味で、ものすごくドラマチックな作品だった。

あと、追いかけてくる香取慎吾から、ゲロまき散らしながら逃亡するシーン良かった。『コクソン』に次ぐナイスゲロ。
noobyoo

noobyooの感想・評価

3.7
独立以前だったら香取慎吾さんの本作への配役はあり得なかったのは確かで、そう云う意味では、孫悟空とかハットリくんとかやってた都合上、初めて映画でちゃんと人間を演じたと言っていいかもしれません。

競輪にのめり込むギャンブル依存症のダメ男が辿る修羅の人生なんだけど、根は優しく、助けてくれる人が沢山いるので、何とかドン底手前で踏み留まっている危うい感覚が常に映画に歯痒さを漂わせます。

震災で津波の被害に遭った漁港の町が舞台なのに意外に閉塞感が少ないです。なので白石監督の同系列作品と比べると幾分柔らかな印象を持ちました。

それに救いが多い分、作品の重厚さが幾分薄まっている事は確かであり、白石和彌監督作品にしてはソフトな作風が逆に印象的でした。
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