凪待ちの作品情報・感想・評価

上映館(7館)

「凪待ち」に投稿された感想・評価

いやあり得ない!って思うところがいくつかあったけど…冷静に考えてみると。
でもそんなの気にする隙を与えない、説得力のある映画だった。

それはきっと、演出・脚本・お芝居が素晴らしいからだと思う。ずっと冷めることなく作品の世界に浸っていれた。

物語の軸は、フライヤーにある「誰が殺したのか?なぜ殺したのか?」には重きを置いてない。「なぜ」の部分は触れてもない。

アルコール、ギャンブル、薬物、いろいろ依存症があるけど、止めようと思っても止められない人は、みんな郁男みたいに弱い人間なんだろうな。
葛藤しては負け、を繰り返してどんどん苦しくなる。自己嫌悪に陥る。
結果的にやってることは最低のクズだけど、人としての思いやりや正義が無いわけじゃない。

そういう難しい部分を上手く描いているのがやっぱすごい!
慎吾ちゃんすごい、白石監督すごい。
人間くさい映画、もっと撮ってほしい。


そんで、、、
リリーさんは何をしてくれているんだホントにもう。異彩を放っていたから、序盤で気づいたけれども。怪物です。
嗚呼、素晴らしき屑映画。
ヒモである郁夫が、妻を殺害されることにより、元々のギャンブル中毒が加速し自分も残された家族も崩壊しかけていく話。

この映画の中で何度涙ぐんだことか。途中涙ぐむだけでなく年甲斐もなく垂れ流してしまった。

郁夫は根は優しく、身内に愛していて、人から好かれ、仕事もできる人間なのだが、少しだけ社会性が低い。他人にも自分にも甘い。郁夫の身内に対する話し方は眠そうで優しい。
普段優しいちょっと癒しキャラのようなポジションを確立しておくと、少しくらいダメでも周りからまぁあいつだからなと大目に見てもらえることがある。ヒモとか人たらしのスキルのひとつである。

屑が自己嫌悪して負のスパイラルにハマっていく様子が鮮明に描かれていた。
妻の喪失をキッカケに立て直そうと思っていたものが崩れていく。
俺はダメな人間だと郁夫が直接口にしたり書き出したりする場面も多く、会話の後や、ギャンブルに熱中したり、喧嘩に発展する場面でもことが終わったあとに死んだ方がいいダメな人間だという雰囲気が顔や動きから漏れ出ている。

本当に腐って祭り会場でチンピラ相手に暴れ回るシーンは完全なる自傷で、涙無しに見られない。中年同士で抱き合い「大丈夫だから」と励まされる場面は絵面が情けなさすぎて最早感動の域。(その後の場面展開が地獄となるのがまた良い)また、演じてる香取慎吾がキ×ガイおっさん呼ばわりされてるのも味わいがある。
そこまで落ちる?落ちるのか~ってところまで郁夫が落ちてくれるので楽しいといったらない。

香取慎吾の演技と雰囲気が素晴らしかった。どっしりした体つきに汚れた服に死んだ目をして、のらりくらりと話す様子は、アイドルとは真逆の下級労働者であった。また郁夫に粘着する警察、地元民、ヤクザなどのネチネチした演技も素晴らしかった。白石監督の描く悪人と暴力には安定感がある。

ヤクザやチンピラとの関わりの中で郁夫が破壊を繰り返し、義父や義理の娘とは距離を取ろうとする。家族が優しすぎて気持ち悪くなってしまった。郁夫もおそらくそうであり、優しさに感謝しつつひいているのである。

人の優しさがなぜ怖いのかというと、自分のようなクズに人が優しくする意味がわからない、見返りはできない、そして死にたいと思ってるからです。だから優しくしてくれるような人間のことはどんどん避けていくスタイル。

潮の匂いを感じる湿った少し退廃した町の様子、舞台が東北大震災被災後の町ということで、侘しさと回復を感じた。街を取り囲む海はどこまでも広く、最後は優しく凪いでいた。
Rinko

Rinkoの感想・評価

3.0
ー俺はどうしようもないろくでなしですー

香取慎吾がギャンブル依存症の主人公を熱演。アイドルのオーラはそこには無く
彼が演じた郁男のどうしようもなさが
本当に本当に堪らなかった…

人生をやり直すために石巻へやってきた郁男がギャンブルの誘惑に負け、
追い討ちをかけるように恋人を殺され、
どん底へ堕ちていく…

大きな身体を震わせながら
子どものように泣きじゃくる郁男
そんな彼に優しく手を差し伸べる人の優しさに貰い泣きしてしまった

【恋人を誰が殺したのか?】という事よりも、人間の弱さ、脆さ、変わることの難しさがテーマの作品なので、サスペンスを期待して観ると肩透かしにあってしまうかも。

白石作品ファンで今回観に行きましたが
今作はバイオレンス、暴力シーンは抑えめ
「狐狼の血」ほどの泥臭さや振り切り感はなし逆にそのギャップが「切ない暴力」という感じで良いなぁと思いました。
ekikawa

ekikawaの感想・評価

4.0
…だから新聞記者は白石監督が撮ればが良かったのだ
そら

そらの感想・評価

3.8
今年の邦画の中では白眉の傑作
香取慎吾のギャンブル狂いが自傷行為に見えて本当に見るのが辛くて仕方なかったです 子供のように泣きじゃくるところで自分も泣きました

あとリリーフランキーが色んな意味で便利屋すぎる…
のん818

のん818の感想・評価

3.8
凄いものを見た。ヒリヒリする。とても。
主人公はどうしようもないクズで八方塞がりで全方位救いがなくて。スーパーヒーローもいなければ地球が消滅もしないし怪獣が全てをぶっ壊してもくれない。
それはダメだよ!そっち行っちゃダメだよ!と思いながら、でもそれは私にも起こりうる、ほんの半歩ズレてたら起こるかもしれない日常にゾっとした。大切な誰かを突然失って、あの時ああしてれば、ああしなければ、自分のせいで、と永遠に自分を責め続ける。
映画はエンターテイメント!主義なので、日常では起こり得ないものが好きなんだけど(銃撃戦とかカーチェイスとか宇宙人とか)、凪待ちは日常に近すぎて本当に、本当に、辛い、とは違う、身につまされる、というか、主人公のようにならない自信は、1ミリもない。
そしてエンドロールで嗚咽。海に沈んだ日常に。
リストラされてんのにヘラヘラして馬鹿なおっさん、とか、そんな男と一緒になるなんて馬鹿な女、とか、親の病気で地元に戻るなんてありえん!とか、田舎の嫌なとこ丸出しだわー、とか思ってたんだけど、全部自分に起こり得るかもしれないことだ。大切な人が突然いなくなることも含め。
凪待ち

誰が殺したのか?なぜ殺したのか?

https://www.cinema-life-career.com/entry/2019/09/16/114420
がんつ

がんつの感想・評価

3.9
ギャンブル狂の郁男。ギャンブルを断ち、同棲中の亜弓と彼女の実家、石巻で暮らし始める。しかし、亜弓が何者かに殺され...
っていう話はおいといて、香取慎吾のダメ男を観て欲しい!!!🙏

監督は「凶悪」「日本で一番悪い奴ら」の白石和彌。そしてギャンブル狂の郁男を香取慎吾が演じます!
常に虚ろな彼の目が輝いているのは、競輪をしているときだけ。
どんどん堕ちていく香取慎吾を観て欲しい!🤗

感想としては、変わりたくても変われない郁男の姿を見て、泣きそうになりました...
鑑賞中は「郁男頑張れ!頑張れ...、あぁー😩」の繰り返しで疲れましたが、鑑賞後に振り返ると自分も頑張ろう!変わろう!って思える良い映画でした。

「アンダー・ユア・ベッド」といい、ダメな男が頑張る映画が大好きです😊
「バッファロー'66」も良かったもんなぁー。

劇場 No 196

待ち望んでいた白石和彌監督の新作🎬
スケジュールが空きやっと観られました 👀(しかも夕方一回のみの上映...シネコンは回転が速すぎます)
期待どおりの作品でした👍

競輪三昧の木野本郁男はギャンブルから足を洗い、同居する恋人の亜弓とその娘・美波とともに亜弓の故郷の宮城へ移ることに...🚙
そして、近所の小野寺という男の世話で印刷工場で働くことになる🏭
ある日、美波の帰りが遅くなったことを心配する亜弓と口論となった郁男は、亜弓を車から放り出してしまうのだが、その夜、亜弓は無残な死体となって発見される...😰
そして 郁男の人生の歯車が徐々に狂い始めていく⚙

前日に草彅くんの「台風家族」を観たばかりでしたが、比較すると総じて香取くんの方が素晴らしかったですね👍

ギャンブル依存症のクズ男を熱演してました🚴‍♂️
ギャンブルってハマってしまうとああなってしまうのですね💸
私は一切ギャンブルしないのです分からないのですが、ちょうど映画にハマって劇場へ行かないと気が済まない...という感覚だろうか (誰のことだ...🤔)

本当に香取くんがギャンブル地獄に落ちて行く姿を見るのがツラくて...😓
早く終わってほしいと思ったくらい...🎬
警察に疑われ、職場でも白い目で見られ始めて、郁男の人生の歯車が徐々に狂って行く様子がリアルでした (福島で除染作業というのもリアルに感じました)⚙️💥

でも困ったことに犯人は容易に目星がつきました🕵️‍♂️
というのも犯人のオーラが出ている方といえば...あの方しかいませんから👤
しかも白石作品だし...🎬

「台風家族」でも触れましたが、香取くんもこのような活躍をするのであれば、TVバラエティは控え目で、今後も銀幕の世界中心で勝負してほしいものです🎞
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