無知A

ヒトラーと戦った22日間の無知Aのレビュー・感想・評価

ヒトラーと戦った22日間(2018年製作の映画)
3.6
最も恐ろしいのは、人間がこれ程の事をしてしまったという事実である。本作の中で繰り広げられた惨劇は、現代を生きる私たちにとっての可能性でもあるが故に恐ろしい。実際に、本作では人間のポテンシャルを映し出すと同時に、内面の変化を明示する事で、警鐘を鳴らしている。SS隊員も収容所の囚人も同じ人間の筈だが、立場や思想、認識などの違いが、こうも大きな違いを生み出してしまっている。その結果、同じ人間を人間だと認識しなくなるので恐ろしいものである。

さて、話がやや脱線してしまったが、改めて作品のレビューをしようと思う。私の率直な感想としては、重厚なテーマを抜きにして考えると、どこか決め手に欠けるように感じた。どの要素をとっても素晴らしいと思うが、同じ題材の作品郡でも特出して素晴らしいとは言えなかった。なんだか、解釈を観客に委ねすぎているように感じた。しかし、学びの観点、影響力という点では特出しているように感じた。人間がどのような動物なのか、短い時間の中に凝縮されている。


(内訳)
内容 3.6
学び 3.9
構造 3.5
無知A

無知A