絶滅収容所のお話は数あるが、本作はロシア産映画らしく、重苦しいシーンが連続する。だがそれらは基本、観客を絶滅収容所に招待するためのものではなく、観客の情動を突き動かすのが目的とされているように感じる。
べつにそれが悪いわけではないのだが、「サウルの息子」なんかに比べると、ちょっとエンタメ寄りだなあ、という気がしてくるのである。
とはいえ、映画自体の出来は悪くない。ソビボル強制収容所について予習しておくと理解しやすいはずだ。
あ、ちなみにネタバレですがヒトラーは出ません。出る分けねえだろ、みたいな。