MasaichiYaguchi

ジョニー・イングリッシュ アナログの逆襲のMasaichiYaguchiのレビュー・感想・評価

3.6
7年振りの「ジョニー・イングリッシュ」シリーズ3作目は「007」ネタのパロディをてんこ盛りにして、時代遅れの〝変なおじさん〟スパイとイケメン・ハッカーとの対決を笑い一杯に展開していく。
この映画を観ていると、昭和のお笑いバラエティ番組、「オレたちひょうきん族」や、その強力な裏番組だった「8時だョ!全員集合」で繰り広げられたギャグやコントを思い出す。
つまり、今風のシュチュエーション・コメディではなく、主人公ジョニー・イングリッシュを演じるローワン・アトキンソンの体を張ったギャグは噴飯物だが、懐かしさを覚えて心和んでしまう。
本作で描くIoTの現代社会は便利な反面、何かあったら全てが滞ってしまう危険性があるが、それに対してアナログやローテクは不便だが、シンプルなので全てが滞ることはない強みを持つ。
「アナログの逆襲」という邦題を持つ本作は、ジョニー・イングリッシュというアナログ人間が、IoTやその世界を跳梁跋扈する悪玉をローテクで戦うというギャップの妙を楽しむ映画だと思う。
それにしても、ショーン・コネリーやロジャー・ムーア時代のジェームズ・ボンドを彷彿させる主人公のファッションやスパイグッズ、そして懐かしいアストンマーティンV8の登場が、古くからの「007」シリーズファンの心をくすぐります。