MasaichiYaguchi

ドクター・スリープのMasaichiYaguchiのレビュー・感想・評価

ドクター・スリープ(2019年製作の映画)
3.8
スティーブン・キングの小説をスタンリー・キューブリック監督がジャック・ニコルソン主演で映画化した「シャイニング」はホラー映画の傑作として未だに人気が高いが、本作はマイク・フラナガン監督がユアン・マクレガー主演で、その40年後を描いた続編。
勿論、続編もスティーブン・キングの同名原作によるものだが、スタンリー・キューブリック版映画にあった謎に対し、“答え”を提示しようとしているのと同時に、一つの“決着”を付けようとしていると思う。
主人公は前作の惨劇から生き残ったダニーで、当時少年だった彼も今は人生に疲れた中年になっている。
彼が疲れた中年になってしまったのは惨劇のトラウマに未だに苛まれ、人目を避けて生きてきたから。
そんな彼が或る少女と出会い、関わったことから連続児童行方不明事件の闇に足を踏み入れていくことになる。
この続編は、現在のダニー、ダニーと深く関わる少女アブラ、そして連続事件の謎の犯人グループという三つがストーリーの進展と共に繋がっていき、やがて絡まっていく。
前作のタイトルであり、この続編でも度々登場する“シャイニング”は特別な力を意味し、重要なモチーフとなっている。
この“シャイニング”の取り扱いを巡り、前作ではキューブリック監督と原作者が揉め、今風に言うなら“炎上”してしまった訳だが、本作では“特別な力”にスポットを当てて描いている。
キューブリック監督は、キングの原作から“特別な力”よりも“カルマ”、因果応報、輪廻転生を読みとってフィルムに焼き付けたように見える。
本作の主要登場人物達が終盤で集うのが、曰く因縁のある山の上のホテル。
ここでの展開、凝った映像と美術、登場するキャラクター達は前作ファンにとって堪らないと思う。
前作の印象的なラストと趣は異なるが、前作にオマージュを捧げている続編では、ラストに希望が感じられ温もりが残ります。