キューブリックがあえてボカしていた謎に答えを出しつつ『シャイニング』とは異なる作風に挑戦したのは非常に良かった。
それでいてキューブリック版『シャイニング』やそのファンに配慮した演出も展開的に納得のいく形で盛り込まれていたので、続編としてとても完成度が高かったように思う。
ただ謎に満ちていた状態の『シャイニング』だからこそ好きだと感じていた人もいると思う。自分は得体の知れない曖昧さを持っていたからこそ『シャイニング』が好きだった。
だから謎を明かしてしまったことによって『シャイニング』の価値にも悪い意味で影響が出てしまっているのも事実で、それが少しだけ残念に感じた部分でもある。仕方ないと言えば仕方ないのだけど。
ともあれ、傑作と言われつつもキングからの批判を浴びた『シャイニング』の凍りついた時間を再び進めることは製作陣にとってかなりハードルが高い試みだったと思うのだけど、なんとか良い続編に仕上げてくれて本当に良かった。
