都部

ドクター・スリープの都部のレビュー・感想・評価

ドクター・スリープ(2019年製作の映画)
3.2
キューブリック版シャイニングの正当な続編として制作された本作。しかし、蓋を開けてみると出てきたのは因縁入り乱れる異能力バトル。これこそ原作に忠実なのに『コレじゃない』とか言われる不遇な続編である。
おのれキューブリック。

過去の自分との決別であったり、シャイニング(異能力)の継承、同様の力を持つ敵との対峙と要素を拾っていくとなんだか少年漫画的ではあるが、同原作者の映画 ダークタワーなんかよりはちゃんとエンタメとして頑張ってるので楽しくはあった。ただシャイニング同様に前半が非常に退屈という部分もリスペクトされてしまっていて、個人的には若干のチープさはあれどバトルバトルしてる後半の方が好きではある。見れば見るほど、キューブリック版の二次創作みたいな触感だよなこれ(原作通りです)。この物語の本番は終盤の例のホテルでの最終決戦な訳だが、もうここまで来るとお祭り映画である事を隠そうともしないので最高。人生においての負債を克服することで己を守る武器として転じる、という王道な展開が刺さる刺さる。
しかし、これでもなお変な続編だったなと言われ続けるのが可哀想なのは変わらない。
都部

都部