ヒロ

ある女の愛のヒロのレビュー・感想・評価

ある女の愛(1953年製作の映画)
4.3
銀の龍の背に乗って都会からやって来た女医さんが村八分に遭いながらも一人の男と出会い恋に堕ち、一方その確かな腕で村民の信頼を勝ち取っていく地域医療活性化フェミニズム万歳映画。って逆Dr.コトーやないかいとツッコミ入れずにはいられないパクリ様、いやもはやグレミヨンを民放テレビドラマに引用するって偏差値高すぎて誰も気付かないレベル、記憶が正しければ船の上で盲腸切ってたから多分合ってる。っていうのは置いといて、“タイトルからも分かるように医師という社会の一員として仕事をしながら、女として恋もするごく普通のある女の愛の話。通俗的なというかごくありきたりなメロドラマなプロットを敢えて主題に持ってくる勇気ある決断、そしてそれをこんなにもエモーショナルに魅せることができるのだと自分を後押ししてくれた作家のひとり。”と濱口竜介は言ってたが、まさにそれで感情の煽り方が半端じゃない。大した高等技術は必要ないと的確なカットバックにニコラスレイもお手上げ究極のクロースアップ、画面外の音による創造への誘導やシネフィルを手玉にとるチャップリン『黄金狂時代』へのオマージュ、いやちょっと想像より滅茶滅茶いいですやんと今日初めて観たが秒でファンになった。

《ゴーモン映画〜映画誕生と共に歩んできた歴史〜》
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