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ファントマ対ファントマのCHEBUNBUNのレビュー・感想・評価

ファントマ対ファントマ(1914年製作の映画)
4.0
【水曜日のダウンタウン系のオチに観客騒然】
☆『ファントマ対ファントマ』あらすじ
ファントマ=ジューヴ警部説がパリに広がりつつあった。怒りに燃えるファンドール。そんな中、ファントマを捕まえるための出資を募ったパーティが開催される。そこにファントマが現れると予想したジューヴ警部とファンドールだったが...

☆黒ずくめの男が複数人?
第4話は、ファントマに対抗するならファントマになれ!という軸が前面に出た回だ。変装の達人ファントマを捕まえるには、彼と似たような変装をすれば良いと、黒ずくめの男姿で、ファントマ捕獲の為の出資金パーティ(昔はクラウドファンディングなんかないからこういったパーティで資金調達を行なっていた)に潜入する。でも、真面目に考えれば、いくらファントマが来そうだからってそんな仮装パーティに来たら余計捕まえられないのでは?と思う。相変わらず、やることがトンチンカンだ。

☆宝探しパートが面白い
終盤はファンドールが、宝探しするパートとなっている。ファントマの手下らしき者が隠した財宝を探すために、スニーキングを働き、アジトに潜入する。しかし、群衆がやって来たので樽の中に隠れる(どうして底が抜けているんだろうw)。すると、ジューヴ警部が人々から「お前がファントマだな!」と疑われる修羅場に巻き込まれていることに気づくのだ。この時のファンドールのバレるかバレないかサスペンス。ヒッチコックの『ロープ』に近い面白さがある。観客は全てを知っている。だからこそ、ヒヤヒヤと手汗にぎる。この手法は100年前に確立されていたことに驚かされた。

☆壁から血
個人的に一番好きだったのは、物語とは無関係に挿入される壁から血が吹き出る描写。男が壁に穴を開けると血がたらーーーーと滴り落ちる。白黒映画だし、サイレント映画なのに血液のドス黒さが鮮明に脳裏に焼きついた。この作品の中でMVPシーンだ。

☆エンディングは水曜日のダウンタウン方式
ファントマシリーズは、毎回思わぬ展開でクライマックスを迎えるのだが、本作も例に漏れずぶっ飛んでいました。ここではネタバレになるので言えませんが、まるで水曜日のダウンタウンかなんかのバラエティ番組を彷彿とさせるエンディングに会場は爆笑。拍手すらあがりました。こんなオチ観たことがないぞww
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