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僕はイエス様が嫌いのトレバーのレビュー・感想・評価

僕はイエス様が嫌い(2019年製作の映画)
4.5
全く知らなかったんです。
たまたま予告で目にして。
独特の空気感、間に既視感を覚えたら、
予告の後半に是枝監督の絶賛コメントが。
あ、監督っぽいんだこの感じ、、、。
映画館を後にして少し調べると、

若干22歳!?卒業制作?マジか!

これは観てみなければと、とある超大作怪獣映画wの後にハシゴしました。

おばあちゃんと一時同居する事となり、おばあちゃんの住む
雪の深い町に家族で引っ越した小5の男の子、ユラ。

いかにも今時の男の子のような、どっか冷めたような
でもやっぱり子供なんだよなあという空気をすぐ
伝えてくる演出がまず上手い!

ドキュメントタッチに見える、演出を抑えたような
でも実は編集や細かい演出で周到に作られているのが
是枝監督的に見えた所でしたが、そこを一段越えてくるのが素晴らしかったです。

東京から、田舎のしかもミッション系の小学校に編入して
勿論すぐに馴染む事が出来ずに戸惑うユラ。

神様なんて今まで意識した事なかったけど、
試しにお祈りしてみたら、小さいイエス様が姿を現した。
その時最初にユラが願った事は、

友達が出来ますように。

クラスの人気者、頭が良くてサッカーも上手い
男の子カズマが友達になってくれた!

お願いすると叶うんだ!

ユラは、いたずら心にお金が欲しいなって願うと
おばあちゃんがおじいちゃんのヘソクリを千円
見つけて、それをくれた。
ささやかだけど、願い事をすると叶うんだ。
まだ神様がなんなのかは、現れた小さなイエス様を
見てもピンとこないし学校の毎朝の礼拝はよくわからなくて
目を開けてしまうけど、そんなユラの雪国の暮らしは始まった。

このあと、静かにささやかに日々は進んでいくのですが、、、

ネタバレになりますので一切ここからは書けませんが、
何故このタイトルがついているのかがわかる事になります。

おばあちゃんとの暮らし、どこか悪い意味で
今時な感じだった両親とのやりとりが、
田舎の町で過ごす事で少し穏やかになっていくあたりや、
カズマとの微笑ましい友情など、繊細に見せていくのが素晴らしいです。

雪の町の柔らかな白に癒されながら、でも
だからこそ後半の展開が胸に突き刺さる映画でした。
監督のこれからが本当に楽しみです。
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