幼い頃、願い事は神様にした方が良いのかイエス様にした方が良いのか迷っていた。その時のイメージだと神様が厳格な父親でイエス様が優しいお兄さん。だから頼みやすいイエスにばかりお願いしていた気がする。
ユラにもイエス様が現れた。ちっさくて頼りなさそうなイエス様。ユラにとったら神様でもイエス様でも願い事を叶えてくれるんだったらどっちでも良かったんじゃないかな。
そんなちっこいイエス様にもすがりたくなるときがある。願いを叶えて欲しい時だけ都合良く引っ張り出されるイエスに少し同情。でもイエスも全ての願い事を叶えていたらこの世の中は回らなくなる。絶対に。
指で開けた白い障子の先にある真っ白な雪。鄙びた校舎と無垢な少年たち。静謐な世界に突如降りかかる現実。「僕はイエス様が嫌い」と思うユラの頭をポンとしたくなる。
賛美歌「荒野の果てに」をひさびさに聴いた。何だか目の奥にツンときた。