深い映画だなぁと思いました。
「僕はイエス様が嫌い」、というタイトルだけれど、不思議と映画を観ている間、作品を通して、監督の”神様”に対する怒りは少しも感じませんでした。初めは”神様”に対する監督自身の怒りを、憎しみを表現した作品なのかと思っていましたが、観終わった後は、意外にもそのような嫌悪感、”痛み”を感じませんでした。
とても日本映画らしい、閉塞感のある、落ち着いた雰囲気の映画でした。撮り方が日本人映画っぽいのかな? 斬新とは真反対に位置している、お手本通りの、というか、綺麗で落ち着いた、丁寧な撮り方。特に雪のシーンはとても綺麗でした!『ポンヌフの恋人』の花火のシーンを少し思い浮かべました🎇
ストーリーは「さっぱり爽やか」というものではないけれど(それとは真反対に位置しているかもしれない)、弱冠22歳の青年が創ったとは思えないくらい素晴らしい作品でした。
穴の向こうには何が見えるのだろう?
そして何故彼はあの日、早退したのだろう?
観終わった後も、「あれはどういう意味だったのだろう」と、考えさせられる映画でした。
エンドロールの前の最後の一文を読んだときには、「ああ、やっぱりこの作品は、監督自身の”神様に対する怒り”を表現した映画なのかな」と思いましたが、観終わってから内容を振り返った時に、何故だかそうではないような気がしました。なぜならそこに怒りを感じられなかったからです。
「僕はイエス様が嫌い”だった”」
そんなタイトルなのかもしれないな、と感じました。監督の次の作品も観てみたいです!😎