さくら

僕はイエス様が嫌いのさくらのレビュー・感想・評価

僕はイエス様が嫌い(2019年製作の映画)
3.5
子ども故の揺るぎなさと不安定さが共存する感覚を思い出すような作品だった。

サッカーをしたことがきっかけであっという間に友達になれる子どもたちがとても羨ましくなる。

遊ぶと楽しくてそんな友達が好きなはずなのに、何でも出来て何でも持っていて、更にはいつも笑顔で優しいお母さんまでいる友達が羨ましくて嫉妬してしまって。
でもその気持ちを前面に出すことはできなくて弄んで。
その矢先の…。

一体神社で彼は何を祈ったのだろうか。
彼の心境を想像しては苦しくなる。

子どもを気遣っているようで噛み合っていない子どもと大人との会話。
何か分かるなあ。笑
大人たちはいつでも子どものことを、誰より、彼らより、分かってる"つもり"だったりする。

でも大人は子どもよりも少し先を歩いているだけで、彼らももがく人間だからだよな。と。
勝手に大人は人生を達観した仙人みたいな生き物だと思ってたけど。
だから噛み合わなさが生まれるのかと。
そんな思春期時代に思ったことがよぎった。

普通の日常を自然光と共に切り取って、非日常に感じるイエス様を小さな小人としてコミカルに登場させることで押し付けがましくなくまとまっている。

イエス様がチャドマレーンというセンスの良さ。笑
さくら

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