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海獣の子供のWataのレビュー・感想・評価

海獣の子供(2018年製作の映画)
4.1
"大切なことは言葉にならない。"

青。蒼。碧。
ありとあらゆる色彩の"あお"。
生命の神秘を追う荘厳なファンタジー


抗うことの出来ない映像の渦と、溢れ出す生命のエネルギーに飲み込まれる…!🌊🌌
キャラクターデザインがいまいち受け入れられなくて敬遠していたけれど、キャラクター含めアニメーションの力がすごかったです…!!!


海、空、瞳。
全ての空間の奥行と深さと広がり、雄大さ力強さ。
油彩のようなセル画とCGの組み合わせがめちゃめちゃ上手で、全てのシーンがどこで切りとっても力強い1枚の絵として成立するレベル。
その絵が流れとうねりと久石譲の劇伴を伴って襲いかかって来るという…!
これは劇場で見るべきだった…。



私たちが知覚できるのは輪廻のごく一部でしかなくて、見えている部分だけで生死を判断しているけれど、生は死かもしれないし、死は生かもしれない。

世界の全てがフラクタルの一部。
どちらがどちらに内包されているという訳でもなく同じものの一部。
自分という存在が、どこから来て、どこに属し、どこへ行くのか?、すごくふわふわした感覚になります。

海の物語ではなくて、もっと大きな宇宙・生命の物語でした。


物語が理解出来たかと言われると、自信はないけれど、ありのままの感覚が胸の中にあれば感想を文字として書けなくてもいいかな。

"大切なことは言葉にならない"のだから。



今の頭の中は完全にこれです↓
https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/a/a4/Mandel_zoom_11_satellite_double_spiral.jpg?uselang=ja
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