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マチネの終わりにのmikoyan358のレビュー・感想・評価

マチネの終わりに(2019年製作の映画)
3.0
郷土の誇り・平野啓一郎の原作は未読なので差分はわからないが、進むべきベクトルとは違う方向にひかれていく2人の「一瞬の出会いの鮮烈さ」は十分伝わった一方で、急に展開が進んだり時間が飛んだりした場面があり、もう少し時間かけて丁寧に描いて欲しかったなあ(あるいはドラマ向きなのかも)という気も。カッコよさを押し殺してもなお溢れ出る福山雅治、いくつになっても可愛らしさが一向に失われない石田ゆり子という「ただしイケメンと美女に限る」的な話ではあるのだが(笑)、でもその切なさそして「過去は決して立ち位置を変えないものではない」というテーマはとても心に響いた。一見すると同情の余地のなさそうな主役2人の恋心が、マネージャーの早苗の本能的な拒絶感を覚えるようなエゴ(スマホの件も許せんが自分が楽になりたいだけの告白は本当に○ねと思った...)のせいで清らかに見えてくる部分もある。そういう意味で大事だったこの役を見事に演じきった桜井ユキという女優さんは本当に巧い。「娼年」での演技も鮮烈だったが、今後も要注目。
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