LEGION

アルキメデスの大戦のLEGIONのレビュー・感想・評価

アルキメデスの大戦(2019年製作の映画)
3.5
巨大戦艦の建造予算案に異を唱える海軍少将・山本五十六に協力することになった天才数学者の物語。主人公が見積もりの不正を暴こうと行動する中で迫る会議の残り期日を場面ごとに示されるから、数多くの出来事を整理しやすくして、不正を暴けるか暴けないかの緊迫感をより高いものにしていた。鉄量に対する予算の関数や数式は理解できていないし、主人公ほどの計算スピードについていくことはできなかったが、その値となる数字が指し示すものはわかりやすく説明がされるから物語が追いやすく楽しむことができた。物語の前半と後半で盛り上がりの展開の落差が大きかった。前半の資料集めや設計考案など面白さはあったが平坦で盛り上がりに欠けていた。しかし後半に起こる会議からの盛り上がりは面白さを一気に高め、悲しみのあるラストに上手く繋げる。だからこそ後半と落差のある前半に残念さがあった。
大日本帝国時代の政府にどれだけ未来を見据えた者が少なく、権力に酔いしれてる者が多いかったかがうまく表現されていた。愛国心の強さが増大すればするほど周囲に対する状況判断が鈍くなり出来事を失態へ導いてしまうのかうまく描けていた。数字という実体のないものを武器化して戦う主人公の姿はカッコよく、自分を曲げない不屈の精神はとても逞しかった。
負けることで日本を救うのが最良の手段となってしまう日本の状態に対する無念さと驚きがあって感動しやすい物語だった。