みさりん

アルキメデスの大戦のみさりんのレビュー・感想・評価

アルキメデスの大戦(2019年製作の映画)
4.1
漫画原作の架空戦記。

冒頭、昭和20年4月7日九州坊ノ岬沖。米軍戦闘機の猛攻で世界最大の戦艦「大和」が撃沈され、乗組員と共に海中に消えてゆく激戦の様は余りにも壮絶でリアルで…涙無くしては見られない。。
そこから12年前の昭和8年に遡るところから物語は始まる。

日本は国際連盟を脱退して世界から孤立、米英との開戦の青写真を描き始めていた…。

大日本帝国海軍内では、設計者で造船中将の平山(田中泯)と海軍少将の嶋田(橋爪功)らによる大型戦艦建造推進派と、海軍中将 永野(國村隼)と部下の海軍少将山本五十六らの大型航空母艦建造推進派が激しく対立し、それぞれの謀略が渦巻いていた。。

軍事会議で軍艦派がリードし決定を濃厚にする中、山本五十六らは最終会議までに決定を覆す手立てを模索することに。。

一方、東京帝国大学数学科で100年に1人の逸材と称される天才数学者の櫂 直:かいただし(菅田将暉)は、軍艦の造船で莫大な財を成した尾崎家から援助を受け、書生として尾崎家に住まい社長令嬢 尾崎鏡子(浜辺美波)の家庭教師をしながら帝大に通っていた。(主人公の名前は数式の答えの“解”に掛けて?“正解”のもじり?)

ある日、海軍少将 嶋田 (橋爪功)が尾崎社長の元を訪ねる。紹介された櫂の発言が嶋田の機嫌を損ね尾崎の逆鱗に触れる。更に櫂に思いを寄せる尾崎鏡子との仲を不純と誤解され櫂は尾崎家を追い出された上に圧力をかけられ帝大まで退学処分にされてしまう。。

そんな尾崎から得た金は全て使う!と料亭で全芸者をあげて派手な酒宴に興じる櫂と偶然出会うのが海軍の山本五十六らだった。

山本五十六は櫂の人並み外れた計算能力を目の当たりにして軍艦阻止のための突破口を見出だし、明日からアメリカ留学に旅立つという櫂を説き伏せて少佐待遇で海軍に招き入れる。そこから数学者 櫂の戦いが始まる。。

最終決定会議でのどんでん返し!からのどんでん返し!からの…は見物。潮流の恐ろしさを改めて知らされる。

山本五十六役の舘ひろしさんがとにかく格好良過ぎるぅ!! 現在69歳で来春古希とは信じられない!申し訳ないけれど上官永野中将役の國村隼さんの方が五歳も年下に見えない(笑)。

平山造船中将役の田中泯さんは昭和20年3月10日生まれ。戦艦大和が沈没したのが同年4月7日。74年の歳月が流れこの作品にご出演とは感慨深いのではと勝手に想像。。

出演俳優皆さん名優で箔が付いて凄く良いけど、正直、舘ひろしさんの山本五十六と橋爪功さんの嶋田少将が兵学校同期というのは若干無理な感じが。(同期イコール同い年と限らないとしたうえでも…)それに山本五十六は昭和18年に59歳で没しているから昭和8年ならまだ49歳なのに…役者年齢層が高杉君かと。。昔の人が老けていたから仕方がないのかしら。。
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