すずや

アルキメデスの大戦のすずやのレビュー・感想・評価

アルキメデスの大戦(2019年製作の映画)
4.2
なにかヘイトを色々と集めてるという噂を耳にしていたけど、思ったよりは全然面白かった。(私が普段邦画に対して極端に低い期待しか抱いていないせいかもしれないけど)

「これを今作る意味があるのか?」って、戦争の恐ろしさを訴えるのに時期もなにもないんじゃないですかね…

前半から後半の会議にかけては、菅田将暉と柄本佑のバディコメディ映画になっていてめちゃくちゃ笑った。こんな軽いタッチで描けるならいいじゃん、と笑ってしまった。
ただ、後半「こんなに上手く行くはずがない」という憂いを抱いたことが的中してしまったのが恐ろしかった。終盤は日本の軍部と全体主義の恐ろしさを描き出していたと思うし、戦争を辞める気など鼻からないという軍部の姿がありありと浮かび上がる描写には凄まじさすら感じた。
秘密を暴こうとして、秘密を抱く側に回ってしまった恐怖。

「僕には、あの戦艦が日本そのものに見えるんです」

このセリフの恐ろしさたるや…
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