TERUTERU

15年後のラブソングのTERUTERUのレビュー・感想・評価

15年後のラブソング(2018年製作の映画)
3.6

15年前の恋愛をあなたは覚えていますか?
15年の間好きな人との生活はどうでしたか?
15年たった今のあなたは変わらず幸せですか?

15年前のラブソングと15年後のラブソングの内容は変わっていませんか?


 日曜の肌寒い朝に暖かいコーヒーを飲みながら、昨日言い合いになってしまった彼の事を思いながらこの映画を見て感動して前を向けるモーニングサービスような元気になれる大人のラブロマンスな映画だ☕🎶

 『15年後のラブソング』、原題では『Juliet, Naked』。これは2009年に出版された英人気作家“ニック・ホーンビィ”のベストセラー小説だ。
 “ニック・ホーンビィ”と言えば1992年に英国で出版された小説デビュー作「ぼくのプレミアム・ライフ」で100万部を超す大ベストセラー。そして「ハイ・フィデリティ」や「アバウト・ア・ボーイ」、「17歳の肖像」など様々な名作を創り上げそして映画化もしている。
 そして今作の監督“ジェシー・ペレッツ”作品は知っている限り少ないが短編映画の『Fast Track』と『我が家のおバカで愛しいアニキ』のコメディ作品がある。あとドラマで『GIRLS』というラブコメディを何話か引き受けている。今作の『15年後のラブソング』がラブコメディなのもありコメディが好きな監督とも言える。情報が少なく確信はないが、ペレッツ監督は元々有名なロックバンドをしていたがその後映画監督になったとの事。たしかバンド名は「レモンヘッズ」だったかな。今作で主演している“イーサン・ホーク”のインタビューにて監督のことについて紹介している。そう考えると今回の作品はある意味条件がピッタリな監督である。
“ニック・ホーンビィ”のロマンスある小説と“ジェシー・ペレッツ”による愛を込めたラブソングのようなストーリーが劇場に響き渡りあなたの過去と今の恋愛事情を刺激してくるのだ。

 ちなみに『Juliet, Naked』というのは作中に登場する“イーサン・ホーク”演じる「タッカー・クロウ」という伝説のロック・シンガーが歌った曲の名前。送られたCDにその名前が書いてある。そしてこの物語の始まりの合図だ。


 私がこの映画で気に入っている所はロケ地だ。“ローズ・バーン”演じる「アニー」が暮らす舞台はイギリス南東部の海沿いの小さな街ブロードステアーズやラムズゲートの辺りだ。作中では「サンドクリフ」という地名で登場する。映画を観た人ならわかると思うがなんと綺麗な美しい街なんだろう。特にあの海辺のシーンは憧れる。あの海辺で男女二人が歩く姿はもう理想!よく見る広告なんかに打ってつけの写真が撮れるのでは?今で例える言い方だと「映える」スポットだ。
 もちろん海辺だけではない、主人公が道行く街もオシャレなお店や家々だ。ヨーロッパと言われたらよく想像するような街並みだ。ちなみにアニーが勤める郷土資料館も「ラムズゲート海洋博物館」が存在する。とても美しい街だ、私の一度は行ってみたい場所が増えてしまった。(笑)
ちなみにこの海沿いの町は晴れた日が1年で2週間だけらしい、なのであの晴れていたシーンはその期間で撮ったのかな。。。

『15年後のラブソング』、豪華キャストの3人の三角関係はとてもドギマギしていて現実ではありえにくい恋愛、だがそこが今作の普通ではない良い味のストーリー。“伝説のロック・シンガー”に“熱狂的なファン”、そして“そのファンの愛人”。現実で実際に有名人と交流があるのは滅多にないと思うがそんな恋愛のチャンスがあれば願いたいはず。チャンスがあれば逃さないようほどほどに。
 そして今回は大人向けの恋愛。年齢が30代後半でも新しい恋はあるはず。遅すぎた恋でも次に進むか進まないでは大きく違う。この映画のラスト、恋愛の結末はわからないがアニーが新しい気持ちで故郷を出て仕事をしているシーンは私には彼女は幸せそうに感じた。序盤の曇っていた顔は清々しくまっすぐ前を向いている顔に、観ているこっちも嬉しく感じた。ようやく迷っていた気持ちは晴れたんだと。忙しそうだがきっと素晴らしい恋の結末にたどり着くであろう。


 その後の恋の結末が気になる映画だが、それよりも観ている私たちに勇気をくれる優しいラブロマンスな映画でした。15年無駄にしたってそこで気づいて変われる自分がいるのであれば勇気を持って新しい世界に飛び込んで行くのをお勧めしましょう。追い求めることに罪はない、理想の生活、家族、好きな人に出会えるのは最上級の幸せなのですから。🎶

 では堅苦しい長い話しもここまでにしてラブソングを聴いて今回はお別れしましょう、

曲はタッカー・クロウで  “Juliet” …どうぞ~♪


2020/No.017
TERUTERU

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