柏エシディシ

15年後のラブソングの柏エシディシのレビュー・感想・評価

15年後のラブソング(2018年製作の映画)
3.0
上品な大人の恋愛映画な風情ですが、そーんな一筋縄ではいかない逸品。
この手の映画は女性が観るもの、と決めつけている男性同志たちよ!我々が見るべき映画だぞ!w

オトナになりきれない男を殺しにくるニック・ホーンビィ原作ですが、本作は致命傷級。死ぬかと思った………
「ぼくのプレミアライフ」「ハイフィデリティ」「アバウトアボーイ」→ホーンビィ原作もののオトナになれない男映画系譜と、本作に関しては、「17歳の肖像」「わたしに会うまでの1600キロ」「ブルックリン」→ホーンビィ脚本もの女性の再起自立映画系譜が交錯しているのは興味深い。
「男」側にはちょっと厳しめの着地。が、教訓として心して受け止める所存ッッ(血涙)

ローズ・バーンの嫋やかな個性が活きている。とっても魅力的。
イーサン・ホークの良い感じの草臥れ感は往年のインディロックスターという説得力抜群。モデルとしてはジェフ・バックリー辺りかなぁ。
利己的だけれど憎めないダメ男をやらせたら一級品のクリス・オダウドも見事でしょう。
あとあと、ジャクソン役の子が可愛い過ぎる。

ニックホーンビィ印なので、音楽使いは鉄板。
キンクスのあの曲からの、終幕あのバンドの曲の流れは、ロック好きならニンマリするところ。

監督のジェシー・ペレッツ。ポール・ラッドの「我が家のお馬鹿で愛おしいアニキ」の方。
あちらも柔らかで暖かなテイストの中にピリッとしたシニカルさが滲む良作でした。おススメです。
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