けーな

ふたりの女王 メアリーとエリザベスのけーなのレビュー・感想・評価

3.7
ふたりの女王となっているけれども、スコットランド女王メアリーが主人公の話。原題では、「Mary Queen of Scots」となっている。 

16世紀のイギリス(ブリテン島)が舞台。同じ島の中で隣接しながらも、長年闘いを繰り返していたスコットランドとイングランドの女王メアリーと女王エリザベスは、従姉妹同士であったが、王位継承権を巡ってのライバルでもあった。その2人が、陰謀渦巻く男社会の中で、どう生きていたのかをスコットランド女王メアリーを視点に描いた物語。

とにかく、スコットランド女王を演じたシアーシャ・ローナンとエリザベス女王を演じたマーゴット・ロビーの演技が素晴らしかった。

女王と結婚すれば、王となることができ、権力を手中にできると、結婚を言い寄る男達や、権力のために暗殺を仕掛ける者達など、陰謀が渦巻いていて、怖い、怖い。

メアリーが、この気持ちを理解できるのは、エリザベスだけだと言って、彼女に会いに行くシーンが良かった。孤独な女王2人をよく表現していたと思う。

私は、「もう男なの」と言ったエリザベスの生き様が、哀しい。美しいメアリーに対抗するために、天然痘の跡を隠す派手な化粧をし、新しく作ったカツラを被ってきたところも、切なかった。

最近、マイノリティへの偏見を無くそうとするがために、例えば、その時代にはあり得ない所に、黒人の俳優さんを配役したりすることが、最近の映画や演劇で多い気がする。この映画でも、女王の側近の兵士が黒人の俳優さんで、違和感を感じた。偏見を持つつもりは、毛頭ないが、時代背景というものがあるのだから、それは、時代に合わせて描いて欲しいと思う。
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