柏エシディシ

ふたりの女王 メアリーとエリザベスの柏エシディシのレビュー・感想・評価

2.0
ふたりの女王。の物語と思いきや、原題Queen of Scots
どちらかというとメアリースチュアート寄りのお話なんですな。
エリザベス1世に人気女優のマーゴット・ロビーだし、こちらの勝手な期待だった訳ですが、浅学の為メアリー女王側の物語は深くは知らなかった為、これはこれで大変興味深く楽しめました。
しかし、同時期に「女王陛下のお気に入り」という英国王室ものの怪作とバッティングしてしまったのは不運としか言いようがなく、ある意味歴史モノの王道の本作のアプローチには物足りなさが先にきてしまうのは致し方ないところでしょうか。

男性主体の社会組織の中でサバイブしていった女性として、メアリーとエリザベスを現代的に捉え直すのは面白いですし、政治的な対立を越えて、ふたりがお互いにある種のシンパシーを持っていたという解釈は勿論出来る訳で。
クライマックスのふたりの会合は創作だとは思うのですけれど、メアリーがイングランドに亡命してから処刑されるまでに20年近い歳月があると考えると、その間にふたりの間にどのような交流があったのかと想像力が刺激されます。

エリザベス側の歴史観からすると犠牲者的な位置にあるメアリースチュアートを手強いサバイバーとして凛と演じたシアーシャ・ローナン。着実にキャリアの幅を広げていて、頼もしい限り。

史実に忠実であろうとしているためか、プロットが若干整理し切れていないのが残念ですが、衣装や美術の見事さとスコットランドの雄大な自然の美しさは見応えがあります。