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ふたりの女王 メアリーとエリザベスのbebemamaのレビュー・感想・評価

3.5
邦題はふたりの女王だけど、原題はメアリー・スチュアート。
メアリーが主役。
でも、やっぱりエリザベスは登場は少なくても重要人物。
エリザベスの話の方が良く知ってるし。

宮廷物は血統と宗教と権力が愛憎と綯交ぜになり、陰謀渦巻くドラマになる。だから宮廷物は面白い。(宮廷物に[愛と陰謀とか、愛と欲望とか]の題名付けたがるのはわかるが、、)

どちらの女王も、結局女性であるからの苦労が。
たとえ女王であっても、女性であるので自分で主導権をなかなか握れない。
結婚相手が男性だから、その相手に裏切られてしまうのではないかと、、、
王の政略結婚は相手国との和平だが、女王は和平と共に乗っ取られるという事もあり得る。
外交だけではなく、宮廷内でもとなると、本当に大変。
特に戦時は。
エリザベスはそれがわかっているから独身を貫き、国と結婚した。
だが、メアリーは何度も結婚し子供も。

同時代の二人の女王はよく対比させられる。
あの時代、対照的な二人。
ライバルであったが、同じ女王だから分かり合える事もあったのではないか。

この作品だけでなく、二人は警戒しつつも、尊敬しているという解釈が多いので、そういう関係だったんだろう。

王位継承権とは、あの時代の王族にとってはアイデンティティなのだろう。
血統だけが自分をあらわす。
それが、存在証明。
生まれた時から定められていて、逃れられない。

結局、後世メアリーの息子がイングランドとスコットランドの両方の王に。
その事は、エリザベスにとっては良かったのかも。
ふたりの女王の願いではなかったのか。

シアーシャ・ローナンは清楚な感じがする。あんなドロドロな宮廷であっても。

シアーシャ・ローナンもマーゴット・ロビーも体当たりの演技。

あの時代の衣装が好き。
女性も男性も!
アクセサリーが現代的で目を引いた。

渋い衣装の中で、最後の殉教者の赤いドレスが印象的。
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