菩薩

私のお祖母さんの菩薩のレビュー・感想・評価

私のお祖母さん(1929年製作の映画)
4.0
エヴァ好きな人なら絶対に「ゼーレだ…。」ってなるファーストシーン。お役人達はその椅子をいかに保持するか、そして空いた一つ上の席を獲得するかで必死、毎日必死におサボりを続ける(どこも一緒やねぇ)。請願に来た労働者の訴えは、その円卓の中をクルクルと周り続け、「前向きに検討させて頂きます。」との絶対拒否の姿勢を伴って返却されてくる(どこも一緒やねぇ)。無能なジジイがのうのうとタバコをふかしたり、タイピストに熱を上げた挙句自殺したりする中、一人の風采の上がらぬ男がクビになる、未来に絶望した男は首に縄を巻き自殺を試みるも、そんな男を人形達が嘲笑う。幼い娘を抱えた母はヒステリーを起こし(超強烈)、夫は嫁との離婚を考えるが、彼の手に「推薦状」が握られているのを見て、嫁は泣きながら(もち嘘泣き)彼を止めようとする。役所も役人も、結局上に立つ者は誰であれ同じ、くたばれ官僚主義!働け労働者!銅像すらも人間が演じる超現実主義、これは確かに強烈な一作だった。
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