左足が不自由な兄(松浦祐也)と知的障害の妹(和田光沙)は二人で困窮した生活を送っていた。ある日、妹が他人に身体を売ってお金を手に入れたことを知る。兄は生活のため、妹に売春を斡旋してお金を稼ぐようになる。
ストーリーはかなり重いし、とても衝撃的な内容だった。それでいてあっという間に終わった。
一側面だけ観ると、兄が酷いという感想になりそうだけど、兄も足が不自由で、仕事を干された状態で、こんなやり方しかなかったんじゃないかな、と思った。福祉や生活保護でなんとかならなかったのか、とも思ったけど、障害を抱えて二人きりでずっと生きてきたことを考えると、頼れるところが他に無かったんじゃないかと思いました。最初にお金を借りに行った相手も兄妹をかなり邪険にしていたので、誰も手を差し伸べなかったんじゃないのかと思いました。
妹が売春についてどう思っていたのか、分からないけど妹は妹なりに兄を助けようとしたんじゃないかな、と思った。倫理的にどうかとか関係なく、兄妹二人の生活を守ろうとしたんじゃないかな、と思った。
知らない役者さんだけど、兄妹の演技が本当に良かったと思います。
本当のところは健常者である私には理解の届かないところに兄妹それぞれの思いがあるけれども、観ていていろんなことが頭の中を巡りました。気軽にお勧めする内容ではないけど、観て良かったと思います。