もう一度は見たい。
もう一度は耐えられない。
でも、逃げないでね。
だめでしょとは言う、お兄さん。
気にしないジジイ。
幸せそうな小人。もとい大人。
がいじっていう高校生。
人間じゃねえっていう警察官。
偽善者?
多種多様な客。まさに客観。
何も出ねえ。時もあるけど、
生きてりゃいいこともあるんですね。
電気とめられて、いいわけないだろ。
光、色の使い方がどストライク。
パチンコ屋の青と白。
カップ焼きそばと点滅。
背中を突き刺す光。
舞い散る桜。電話番号。
剥ぎ取るダンボール。
太陽の下の2人。
燃えるような橙。
溺れるような青。
払えない家賃。止められる電気。
まりこ、冒険しようか。
音と無音の間がまじで怖い。
言葉とアクションの隔絶。不一致。
表情の多彩さも、もちろんやけど。
台詞ではなく、呼吸で伝わった。
そういう意味ではリズムが言語化されている。
沈んでいく水の音。
振り上げられたブロック。
序盤に叩き込んでるから怖いし。
彼の激しさを知ってるから怖い。
泣き叫ぶまりこ。
男が3人代わる代わるになるところは嫌い。
今作はクライマックスが何度も訪れる。
今日の波は荒れてたな。
最高潮、岬の兄妹。
ラストのあれが復讐ならば
開始から一気に引き込まれた。
ワンカットで兄の焦りを描いて、ロングショットで足の引きずりを見せる。
次いで、昭和50年代から60年代ちかくの角川映画の予告編みたいなオープニングの雰囲気。
はじめちゃんと同じで。
彼らがおかしいことはわかる。
彼らがどうするべきかはわからない。
彼らの人生は俺には関係ないけど、救いを求めたのは、単に物語としてではなく、一歩踏み込んで、人生として捉えたからだと思う。
もちろん監督も寓話としてるし、ただの一本の映画なんだけど。
この距離を詰められたものは、途中で意識させられる撮影者の存在によってドキュメンタリーっぽくなるからでもある。しかし何よりも、役者が、兄妹が、間違いなく真っ直ぐに人間だったからだと感じる。
すごすぎた。
浜辺と引いていくカメラ。
虚構だからこそ求めるのだとは思うけど。
笑いという意味でもめちゃくちゃ面白かった。最高に不謹慎。
仏壇とか。反撃とか。帰り道の内しょ話とか。ティッシュ食って。ゴミ漁って。
おかあさんももう終わり?
動く夢を見て、動かない現実を見る。
化粧からのスローモーションや、拷問アップなど。
鏡に。狂気に。スピードに。緩急に。
予感に。恐怖に。動きに。
彷彿を感じるシークエンスもあった。
この監督の次回作は絶対に見る。
そんなに言葉は残ってないけど、
映像だけは強烈にこびりついている。
間違いなくノワール。
お前が悪いのは足じゃない、頭だよ。