ベンジャミンサムナー

岬の兄妹のベンジャミンサムナーのレビュー・感想・評価

岬の兄妹(2018年製作の映画)
4.0
まずやはり主演二人のインパクト。
特に和田光沙が『オアシス』のムン・ソリ級の凄さ!
こちらはアンダーヘアーまでだしちゃってるし。

二人が路上で食べ物漁ってるとホームレスが表れて口に含んだ小石飛ばしてくる場面、貧困の極みである自宅の窓に貼ってあった段ボールを取っ払って一気に解放的になる場面と、個々の場面に演出の上手さが光る。

『最強伝説 黒沢』という漫画で、主人公が「人糞をぶつけるぞ!」と脅す場面があるが、まさか実写映画でその場で脱糞して襲ってきたヤツの顔面にお見舞いするシーンを描く人がいる事に只々唖然(笑)。

色んな意味でゲスな良夫に対して肇という友人を登場させる事で、ちゃんと第三者の視点と、それに対する彼なりの反論を言わせるようにしてある。

ラストがちょっと弱いと感じたが、一度観たらあの兄妹が頭から離れないし、ただ陰惨なだけでなく(助監督に付いてただけあって)ポン・ジュノらしいユーモアもあるので片山監督の作品をもっと観てみたいと思った。