サンタムール

岬の兄妹のサンタムールのレビュー・感想・評価

岬の兄妹(2018年製作の映画)
5.0
家族が寝静まった深夜にお家でシネマ🎦

公開時、映画好きの友人さんの評判が良くて気になってたけど、近くの劇場でやってなかったんだよね。
ポン・ジュノ監督作品や山下敦弘監督作品などで助監督を務めた片山慎三の初長編監督作です。


寂れた港町のボロい家が建ち並ぶ所で暮らす兄妹。自閉症の妹の真理子と障害があって片足を引きずって歩く兄の良夫。
兄が造船所を解雇になり、貧乏極まって、妹に売春をさせることによって、アレコレ。。っていう。。

かなり強烈な映画です❗

お腹が空いてティッシュを食べるのも、妹が大切な貯金箱をお兄ちゃんにあげるのも(一回とられてるんだけどね)、兄がお金の入ったウエストポーチを学生にとられそうになった時の行動も、体は子供なのにアソコは大人なアイツも、色んなシーンが目に焼き付いてて頭から離れません。

ヒリヒリ度100%❗

私は女なので、真理子の行く末を心配しながら見始めたのだけど。。。
性に目覚め、仕事に目覚め、愛にも目覚めていく真理子に、心がギュツと、締め付けられます。
最初は壁や窓に段ボールを張り付けて真っ暗だった部屋に明るい光が差し込むシーンとか、涙😭

お兄ちゃんもね、酷いんだけど、、、。
可愛そうで。。
経済的弱者で精神的弱者の彼なりに必死なんだけど。。現実は厳しすぎる。


巷のニュースでは、新型コロナウィルスの影響で解雇や雇い止め、休業に追い込まれた人達で生活保護の申請が急増しているんだそうで。。。
生活保護を申請できる人、申請が許可される人はまだしもだけど。。
生活保護まで行きつかない、孤独な経済的、精神的弱者はこの先どうしたらいいのか、、、。

岬の先端で、、電話が鳴った時の兄妹の表情のラストにしてやられました。
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