マグロ

インゲボルグ・ホルムのマグロのレビュー・感想・評価

インゲボルグ・ホルム(1913年製作の映画)
3.3
1906年の戯曲原作、シェストレムによる社会派ドラマ。

病により夫を亡くした家族。救貧院による支援ではさっぱり生活も出来ず、母親は3人の子供を里親に出すことに…な話。

ベルイマンがベタ褒めしてた映画。不幸&不幸&不幸でさんざ痛めつけておいて最後の最後で救済するグリフィス的構成(こっちのが早いけど)。

現在は福祉大国として知られるスウェーデンだが、当時は辺鄙に位置する農業国。当然ながら手厚い社会保障制度などはなく、映画に出てくる救貧院程度のもの。
この不幸な母親の物語によって国内で社会保障充実への気運が高まったとか高まってないとか。(因果は不明だが実際1918年には救貧法の改正がされた)

とはいえ、スウェーデンの救貧院や社会福祉に関する論文をざっと漁ってみたけど、ガッツリ言及されている英語論文は一件しか見つからなかった。

ちなみにシェストレムは1907年28歳の時にこの劇の主演をつとめていたらしい。
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