フラハティ

インゲボルグ・ホルムのフラハティのレビュー・感想・評価

インゲボルグ・ホルム(1913年製作の映画)
3.5
どれだけ離れていても、母の愛は通ず。


「スウェーデン映画の父」こと、シェストレムの初期作。
社会派リアリズムの要素を取り入れたのは映画史上初らしい(wikiからなので、正確な情報かは不明)。
Filmarksを参照にすると、登録されている作品数は少なく見えるが、実際は多くの作品を撮っており、ベルイマンが登場するまでスウェーデン映画を支えていた。


字幕なし鑑賞なので、詳細を追えているのかは自信なし…(圧倒的英語力不足)。
店を立ち上げた夫婦と三人の子どもたち。
しかし、夫は病気で亡くなってしまい、売り上げの乏しい店を妻ひとりで切り盛りすることとなる。
だが上手いことはいかず、施設に移って何とか生活。
子どもたちを養子に出すという苦肉の策を講ずる。

本作を観終わって、離れていても両親の愛を感じることや、生きていく上でどれほど家族が大切であるのかということかと思った。
けれど、監督の生い立ちを見ると、幼き頃に母親を亡くしており、母親と子どもの愛情を本作の最後に持ってくるところに、監督の願望のようなものが反映されているようにも思う。
遠い場所にいってしまった母親の愛情と、子どもたちを思った本作の母親の姿はどこか被るところもある。


ちなみに『野いちご』のイーサクを演じたのは本作の監督であるシェストレム。
ベルイマンがわざわざキャスティングをしたところに、どれほど慕われていたのかというのが伺える。
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