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おかえり、ブルゴーニュへのodyssのレビュー・感想・評価

おかえり、ブルゴーニュへ(2017年製作の映画)
4.0
【ワイン造りも大変だ】

フランスのブルゴーニュ地方を舞台にしたワイン造りの映画なんですが、同様の趣向の作品は2年前にもありました。
邦題が『ブルゴーニュで会いましょう』。
で、こちらの映画は『おかえり、ブルゴーニュへ』。
いずれも邦題で「ブルゴーニュ」を勝手に入れているだけで、原題は全然別ですから映画自体の責任ではないんですけど、なんだか紛らわしいですよね。

さて、映画としての出来映えで言うと、断然こちら。つまり『おかえり、ブルゴーニュへ』の圧勝。

ブドウの栽培法、摘む時期、醸造のやり方についてかなり詳しく描写しているところが第一に優れているし、第二に家族物語としてもよくできている。

父の残したブドウ畑とワイン醸造所をどうするかで、三人のきょうだいが悩むというのが筋書の骨格。
かつて父に反発して放浪の旅に出て久しぶりに帰国した長男(嫁さんと幼い息子がオーストラリアにいる)、父亡きあと番頭のような立場の使用人と一緒に必死でワイン醸造をやっている長女、近くの裕福なワイン醸造家の一人娘と結婚して相手の実家にも色々と気兼ねが必要な次男。この三人のそれぞれの人生や表情が巧みに描き出されているのです。

特に長女役のアナ・ジラルドがチャーミング。嫁さんにしたい(笑)。私の好きな中江有里さんにちょっと似ているかな。
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