まりぃくりすてぃ

おかえり、ブルゴーニュへのまりぃくりすてぃのレビュー・感想・評価

おかえり、ブルゴーニュへ(2017年製作の映画)
4.1
ワイン作りにもこんな苦労があんの?とこれから飲み方が変わりそう。。

冒頭の風景デジタル処理による季節乱造に警戒心。途中途中の音楽にも、ソレじゃない感。しかし終わりまでには、充実。
兄が主役だが、主演級の演技姿勢と佇まいを持った妹役・弟役がいて脚本上もそれぞれのフォーカスタイムしばしば。勝手に私は日本人目線で、ふらふらな寅さんと頑張るさくら(と誰か弟)の物語をむしろ観ていたい、という軽い違和感を前半勝手に抱いてた。
葡萄畑や試飲の場でのあれこれは勉強になるし、葡萄投げ合いの漫画臭さも許せつつ。しかしキャストの底ヂカラでとりあえず“平均点クリア”的に進むだけの平凡映画かな、、、、と星配りのお財布を閉めきろうとしたのだけれど、けっこう長い後半の、あるシークエンスにやられた。高めな美男美女率が「えっ、ムダに高すぎ」にまで至ったかに見えた兄嫁の登場が、最上の(最善にさえ映る)モダンなドキドキエロスを連れてきたのだ!
以降、肯定。年齢差ドッペルゲンガーも良し。少年(長男)の愁いあるまなざしから映画的イイ子感がたっぷり来て。
先へ進むほどに三きょうだいの役柄分担がすばらしさを伴った。その末の現実的着地も歓迎。暴力が一度もなかったのも嬉しい。
予想外にクラブ風味でエレキギターを嘶(いなな)かせるオンビート(3拍目強調)な、モダンなような違うような軽さへと若やいでる“21世紀臭さ全開”っぽなスロー音楽の使い方が後半途中まで“合わないお取り寄せ”感強かったんだけど、その流れで素直に?行き着いたエンドロール曲を歌唱込みで結局大肯定できたよ。
寅さんを観てる方がなじめる、、と微アレルギー抱えてた時間帯が前半長かった(弟の描きや兄の言葉足りなさの描きが序盤は不安定なように見えたことも理由かも)から、やっぱり作品全体を絶賛まではできないものの。
それと、兄嫁はエロス要員として100点だし妹とのわずかな対峙も豪華だったけども「それだけ美しければ人生の選択肢もっと無数にあるんじゃない?」と嫉妬させるチカラをやっぱりムダに持つ(笑)。


蛇足ながら、myフェイバリットワイン遍歴(二十歳以降)・・・・・ 信州ナイアガラ → アンタレスの何とかっていう赤(詳しくないけど人から贈られてよく飲んでた) → カルロロッシのロゼ(ロゼ以外はダメ。安物だけど妙においしい)