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隣の影のとぽとぽのレビュー・感想・評価

隣の影(2017年製作の映画)
3.5
やりすぎ!イカれてる!! いきすぎたご近所トラブルの行き着く先、成れの果てがバカだな〜だけど一歩間違えば明日は我が身

みんな自分の正義の中で生きている
人は誰しも自分のこととなると冷静さを失い客観的に物事を見ることができなくなる。頭冷やす時間必要、一方で時間経てば経つほど腸煮えくり返って余計拗らせるストレスフル。平常心じゃなくなったときの人間のダサさ、醜さ。始まって早々から意表を突く展開で、まさかのカーチェイス!鬼気迫るストーキング・シーンのサスペンスフルさ。ちょっとやりすぎたかも…。大人らしく話し合って和解するとばかり。相手に打ち明けきちんと腹割って話すこともせず考えは悪いほう悪いほうへと膨らみ、正常な判断できなくなっていく。
傷つき傷つけ、互いに譲らず傷付け合ってばかりいるまさかのコメディ。一見誇張したオーバーリアクトにも思える言動にはもう呆れて鼻で笑うしかないけど、一歩間違えれば明日は我が身は怖さもある。隣の芝生が青く見えるように奪い壊したくもなる、目には目を。思い込み/勘違い、あるいはコミュニケーションレスが招くボタンの掛け違い的な負のスパイラルに時折ダークでビターなユーモアを織り交ぜたブラックコメディとして描く。
秀逸な人間観察と警鐘。この親にしてこの子ありな形振り構わない強烈親子、特に完璧にイカれた母親が映画の中の他人事だからまだ笑っていられる。長男の行方不明(自殺)と離婚からの妊娠しようと頑張ったり人工授精したり、まさしく(木のことだけじゃない)隣の影。尻に敷かれた男たち。子供は両親から愛されるべきで愛するべき。まぁそりゃそうなるよねというオチ、誰も救われない。


P.S. うちの隣も子供が受験落ちたからとかでドラムセット買い与えて、毎晩バンド仲間来ては住宅街の真ん中でもお構いなく爆音で練習しまくったり、朝にはそこのおかしいお婆さんが新聞のチラシとか細かく切ったのうちの庭にバラ撒いていたなと子供時代思い出して腹立ってきた。
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